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月間1.9億円規模のトークン市場の登場と分散型金融の隆盛

「イーサリアムの2019年」ConsenSysが数字から分析

(Image: Shutterstock.com)

米ConsenSys(コンセンシス)は12月11日、報告書「Ethereum by the Numbers - The Year of 2019(数字で見るイーサリアム2019)」を公開した。今年、Ethereumブロックチェーンに起きた出来事、Ethereumに関する統計やDeFi(分散型金融)の分析、ネットワークアクティビティなどを数字で振り返る、2019年のEthereumを総括する報告書をまとめた。

Ethereumの2019年は、イノベーションとブロックチェーンの成長という新しい波をもたらしたとつづる報告書は、冒頭でDeFiは数億ドルの価値をEthereumエコシステムにもたらし、年間を通じて520を超える新しいDAppsが作成されたことなどを挙げた。

以下に、数字で見るイーサリアム2019の内容を抜粋する。

ネットワーク

今年作成されたEthereumアカウントの数は、2000万以上。アクティブアドレスは400万件生成された。12月12日時点でEthereum上に存在するアカウントの総数は、7959万9874を記録した。

2019年、Ethereumは3回のネットワークアップグレードを実施した。3月に「コンスタンティノープル」と「サンクトペテルブルク」を同時実装。12月に「イスタンブール」を適用し、それぞれハードフォークを行ったが、いずれも当初の予定より数か月単位で遅れての実施となった。2020年初頭にも「ミューア・グレイシャー」のハードフォークを計画している。

DApps

2019年には新たに520のDAppsがリリースされた。

MetaMask Mobile、Argent、Coinbase Walletなど、複数のEthereum対応ウォレットがこの1年でモバイル向けにウォレットアプリをリリースしたことを報告している。

Ethereum Name Service(ENS)ドメイン所有者のドメイン平均購入数は、1から2個。一部には、数百ドメインを所有するものもいるという。ENSドメインの60万を超えるオークションもあった。ちなみに、ENSドメインとは、Ethereumアドレスをドメイン名に置き換えるサービスだ。

ENSドメインの最長は、「Forwhatshallitprofitamanifhegainthewholeworldandsufferthelossofhissoul.eth」。

NFTマーケットプレイスのOpenSeaは、2年間で合計700万ドルを超えるオークションを実施。10月だけで170万米ドルの取引があったという。

Ethereumで最も人気あるDAppsの1つであるブロックチェーントレーディングカードゲーム「Gods Unchained」は、671万4445枚を超えるデジタルカードを代替不可トークン(NFT)として発行した。

DeFi

DeFiプラットフォームでロックされたEthereum、発表資料より引用

DeFiプロジェクトによりロックされたEthereumが、この1年間で劇的に増加し、直近では6億5000万米ドルを超えた。Ethereumは、DeFiプラットフォームおよびアプリケーションの重要な資産になっているという。

分散型取引所(DEX)として運営され異なるトークンの交換が可能なUniswapは、2019年1月1日時点の合計ユーザー数は31人。1日あたりわずか30ETHの利用しかなかった。約1年が経過した現在、1日あたりの利用者は数百人となり、数千ETHの取引があるという。