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R3 Cordaの貿易金融マルコポーロ、最大規模の試験運用に成功
25か国超の企業・銀行が協力した7週間のテストで「産業の大幅な改善」を確信
2019年12月19日 06:30
R3とTradeIXが主導する貿易金融効率化プロジェクト「Marco Polo」(マルコポーロ)は12月12日、過去最大規模となる試験運用に成功したことを発表した。テストには五大陸25か国以上の金融機関と企業から340人以上が協力。7週間にわたって実施した。参加者の大多数が「産業を大幅に改善する可能性がある」と述べたという。
マルコポーロは、R3社の企業向けブロックチェーン技術Cordaを代表するプロジェクトの1つ。貿易金融における契約書などを電子化し、ブロックチェーンを用いて加盟企業と金融機関間での書類のやり取りの効率化を図る。従来の貿易金融には膨大な量の紙のやり取りが存在する。多量の人足と時間を要するそれらの業務を効率化することは、多大なコスト削減が期待できる。
同プロジェクトには国内の金融機関として三井住友銀行が参画しており、実証実験の実施を伝えてきた。同行は2019年内にも商用化を計画している。ほかにも、三菱UFJやSBIホールディングスなども参画している。
今回のテストでは、1日程度のトレーニングを受けたオペレーターが、700件を越えるインボイスを捌けるようになったという。高度なデジタルスキルを要求せず、容易に導入が可能であることを示した。
テストの参加者にアンケートを行ったところ、回答者全員が「業務の加速や改善に効果的で、銀行と企業の両方にコスト削減をもたらす」と述べたという。さらに回答者の75%は実用化を5年以内の目標とした。