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NY司法当局、Bitfinex社とTether社の不正詳細を説明

巨額損失隠ぺい事件、「補填可能性は薄い」

(Image: Shutterstock.com)

ニューヨーク州司法長官が今年4月、巨額の損失を隠ぺいした疑いで、香港に拠点を置く仮想通貨交換所Bitfinex(ビットフィネックス)と、関連会社でステーブルコインを取り扱うTether(テザー)社を訴追した件に関し、同当局は最高裁判所上訴部へ提出した文書で、両社の隠ぺい行為を詳細に説明した。

12月4日付の文書によると、両社はTether社の準備金のうち6億2500万米ドルを別法人Crypto Capita(クリプト・キャピタル)の口座に移動。準備金の移動分は、Tether社の借用証書に置き換えられた。

こうして移動した準備金は徐々に使われ、なくなった。

ニューヨーク州司法長官は、Bitfinex社が交換所での引き出しに備え、資金を必要としているため、消えた準備金は補填される可能性が低いと述べている。

Tether社は12月13日、同当局の文書に反論する主張を発表。Bitfinex社とTether社はニューヨークで活動していないため、ニューヨーク司法当局の管轄外であり、Tetherトークンは法が規定する商品でも証券でもないというこれまでの主張を繰り返した。

また、Bitfinex社が借り受けた金額のうち1億米ドルを利子つきで返済したにもかかわらず、そのことには触れられていないなどと文書を批判した。

ニューヨーク州司法当局によると、Bitfinex社は8億5000万米ドルの損失を、Tether社の準備金を使って埋め合わせた。両社の親会社は同一であり、資金の移動は顧客に開示されなかった。