仮想通貨(暗号資産)ニュース
ビットコインの市場シェア、仮想通貨全体の70%が真実か
交換所による取引量報告は90%以上が虚偽。アルトコインはより深刻
2020年1月14日 06:00
各種仮想通貨の取引量などを調べる際、大手アグリゲーターが運営するランキング情報サイトを参照することがあるが、昨今、その集計データの不正確性が指摘されることが少なくない。2019年にはアグリゲーター最大手のCoinMarketCapが集計方法を改めている(関連記事)。
その理由の一因として、規制されていない仮想通貨交換所が新規顧客獲得を目的に、取引量に関して数値を誇張するなど虚偽報告をしていたことなどが挙げられている。データソース自体の不正確性だ。また、収集方法やソースそのものが古い場合もある。
虚偽の取引量に対するBitcoinの真の流動性を求めるために、新たな集計方法を研究するbitcoinization.comは、ベータ版ではあるがその集計結果を公開する。同サイトは、Bitcoinの真の取引量市場シェアは、全仮想通貨の50%程度(世間一般に推定されるデータ)というこれまでの報告よりも高い、70%程度と推定した(1月3日時点の集計結果)。
興味深いのは、報告されたBitcoinの取引量の90%以上が虚偽報告であること。Bitcoinの実際の取引量は1日平均1万BTC(7億USD相当)であるのに対し、名目取引量は260万BTC(180億USD相当)にもなるという。しかし、アルトコインにおいてはさらにひどく、合法的な取引量は1%前後と低く、虚偽報告はBitcoinより深刻な状態だという。
これらの虚偽の取引量を排除すると、Bitcoinの市場優位性はさらに明白になり、真の流動性市場シェアは約70%程度に推定される。
bitcoinization.comは、虚偽の取引量を排除する方法など、その集計方法をブログ上で解説している。
また、bitcoinization.comはBitcoinの法定通貨別の取引量(現物取引のみ)についても言及する。一般的に報告されている市場シェアは、USDが7割超を占め、JPYは2位と続くが、これも誤った集計結果であるという。
法定通貨別の取引量については、現物取引とデリバティブ取引を混同しているため、適切な比較になっていないという。集計用の交換リストが最新の状態に保たれていないことや、集計に関しては虚偽報告の取引を排除する努力もされていないことも指摘している。また、集計内容にTetherによるUSDT取引という現実には見えにくい中国市場が存在しないことも、大きな欠落点だという。
bitcoinization.comの調査報告では、USDT経由の中国市場はBitcoin取引市場の50%近いシェアを確保しているという。これらの現実を加味すると、USDは平均で約20%の市場シェアを持つ安定した2位、JPYは3位となる。
bitcoinization.comは、「ビットコイナー反省会」のメインパーソナリティである東晃慈氏が設計に関わる。同サイトについて、東氏のTwitterアカウント(@Coin_and_Peace)やMedium上で情報発信が行われている。
Published my personal research to estimate Bitcoin's true liquidity against fake volume.
— Koji Higashi (@Coin_and_Peace)2020年1月2日
・Bitcoin's true liquidity share is around 70% vs reported share of 50%
・ETH, LTC, EOS have particularly high fake vol ratios (close to 99%)
and some more.https://t.co/WKlBHyihcipic.twitter.com/C1FadWQs4L