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新型コロナウイルスの情報共有にブロックチェーン活用

中国・広州市で運用開始。患者状況や重点エリアを可視化

(Image: Thomas0725 / Shutterstock.com)

新型コロナウイルスによる肺炎の拡散抑止策を徹底するため、広州市南沙区でブロックチェーンなどのIT技術を活用し、必要情報を取得・閲覧できるシステムが2月2日に正式リリースされた。地方政府の縦割り組織構造による情報の分断を防ぎ、効率的な指揮系統を実現する役割が期待される。広州日報が伝えた。

報道によると、大学の研究所やIT企業、地元政府の約20人が春節休暇中の1月29日からリモートワークでシステムを構築。1月30日にベータ版をリリースし、2月2日に正式バーションが公開された。各部門が保有するデータなど膨大なデータを自動で整理し、地域の状況と新型肺炎対策に関する有用な情報を、一覧できるのが特徴。現場の要望に応じ、スマートフォンでの閲覧にも対応した。

具体的な機能は以下のとおり。

  1. 追跡必要者の状況を表示
    新型肺炎と確定診断された患者、疑いがある患者、検査で陽性反応が出て確定待ちの患者の人数や、感染拡大が深刻な地域からの人の出入りの状況を把握できる。
  2. 重点エリア表示
    複数の統計を組み合わせ、南沙区の中でも重点的に対処すべきエリアをマップで可視化させる。
  3. 資源情報の表示
    南沙区、広州市、広東省に関する交通・宿泊施設、感染者多発地点、資源の状況をリアルタイムで表示する。
  4. ニュース速報など
    南沙区、広州市の公式発表に加え、ニュースプラットフォームに流れた新型肺炎の重要ニュースを表示する。

これらの4機能に加え、2月3日には、企業の操業再開に関するデータも追加されたという。

新型肺炎の感染者は2月5日正午時点で、2万4363人に達する。中国では武漢市の位置する湖北省が1万6778人と最も多いが、広州市のある広東省の患者数も870人で、中国全土で3番目に多い省となっている。