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北京市、新型コロナウイルスの影響で経営難の中小企業を「16条の政策」で支援

ブロックチェーン活用し融資利便性向上など

(Image: Javier Badosa / Shutterstock.com)

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で、中国の多くの都市が春節明けも操業を再開できず、中国経済に逆風となっている。北京市は2月6日、16条からなる「新型肺炎の影響を軽減し、中小・零細企業の持続的・健全発展を促進するための措置」を発表、融資環境の改善やブロックチェーンなど先端技術の活用を推し進め、経営基盤の弱い中小零細企業を支援する政策を発動した。

16条の内容を簡単に紹介する。

<一> 中小企業の負担軽減

1.新型肺炎の拡大が収束するまで、汚水処理費や道路使用料など行政手続きに関する手数料の一部を減免する。

2.中小零細企業のオフィス・テナントなどの賃借料を減免する。営業できずともリストラを極力行わない企業の2月の賃借料を免除する。また、企業の状況に応じて補助金を支給する。

3.経営危機にある企業の納税を最大で3か月猶予する。

4.中関村(北京大学の近くにあり、テクノロジー企業やスタートアップが集積している)のテクノロジー系小規模企業の研究開発コストを、最大で20万元まで補助する。

5.新型肺炎流行がもたらす短期的で影響の大きい問題、たとえば営業できなくなったスケートリンクやスキー場の電気代、旅行会社の多数の客への返金などに対し、柔軟に支援する。市民の生活のライフラインに貢献する朝食店、スーパー、コンビニなどにはテナント料などを補助する。

<二> 金融サポートの強化

6.国有大手銀行の中小企業向け融資を20%以上増やす。新型肺炎の影響で一時的に経営難に陥ってはいるが、将来性のある企業への融資を渋ってはならない。期日通りの返済が困難な企業に対しても、十分に斟酌すること。

7.中小企業に対する一般的な融資コストを2019年比で0.5ポイント下げる。

8.IPOを支援するなど中小企業の直接融資のチャネルを広げる。

9.オンラインサービスを充実させるなどして融資の敏捷性・柔軟性を高める。ブロックチェーン技術を利用したサプライチェーンの債権・債務管理プラットフォームを構築する。

10.融資担保サービスを改善する。政府系の担保機関は、肺炎の経済への影響が続く間は中小企業に求める担保比率を引き下げる。

11. 2020年、テクノロジーでイノベーションを創出しようとする企業への融資を15%以上増やす。新型肺炎拡大の影響を受けている中小零細企業の信用ランクを落としてはいけない。

<三> 企業の通常運営の支援

12.雇用維持への支援。生産活動ができないが、従業員の雇用を維持する企業に対し、雇用保険料や社会保険料の補助などで支援する。

13.失業者の再就職を支援する。失業者を1年以上の契約で採用した場合、補助金を支給する。

14.新型肺炎の感染を防ぐための物資や生活必需品、重要公共プロジェクトのための原材料などの調達、輸送などを支援する。

15.政府は中小零細企業からの調達を増やす。

16.企業の問題に対し、法律の専門家などが相談に応じる体制をつくる。