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ソフトバンクら通信事業者コンソーシアム、キャリア間決済実験に成功

自国通貨で支払える国境を越えた決済システムの実証取引

(Image: Shutterstock.com)

米TBCASoftは2月18日、同社やソフトバンクなどが参加する通信事業者コンソーシアム「キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ」(CBSG)にて、コンソーシアム会員による、海外でも利用可能なキャリア間決済システム「CCPS」の実証実験(POB:Proof of Business)取引の成功を発表した。

CCPS(クロス・キャリア・ペイメント・システム)は、IBMの基盤を活用してTBCASoftが開発するキャリア間ブロックチェーンネットワークを活用する。異なる通信事業者間での取引記録や決済を行うことができ、相互運用を実現する。本実証実験では、台湾に拠点を置くAsia Pacific Telecom(APTG)と米国の通信事業者が共同でPOB取引を行い、成功した。

2019年12月に行われたPOB取引では、台湾を訪れた米国の通信事業者に加入する利用者がモバイルペイメントアプリを使用し、CCPSネットワークに接続されたAPTGの決済ネットワーク「Gt Pay」上で、参加加盟店での決済を行った。CCPSでは、他国の利用においても、利用者が加入する通信事業者の直接請求により、自国通貨で支払いを行うことができる。

POB取引の成功を受けてAPTGマーケティングセンターのMei-Hui Teng副社長は、「APTGは、台湾市場で国際決済サービスを最初に商品化する通信会社の1つとなる。国境を越えたモバイル決済サービスは、APTGの加入者に大きな利益をもたらすだろう。このサービスは旅行者が海外での取引手数料を減らし、モバイルでのキャッシュレス決済メリットを享受できる」と語った。

CBSGは、通信事業者によるブロックチェーンコンソーシアム。通信事業者向けに設計したブロックチェーンプラットフォームの共同開発を目的に、ブロックチェーン技術開発企業の米TBCASoftと、通信事業者であるソフトバンク、米Sprint、台湾Far EasTone Telecommunicationsが2017年9月に設立した。CBSGは、セキュアでグローバルなデジタル決済、個人認証、IoTアプリケーションなど、ブロックチェーン技術を用いた様々なサービスを、通信事業者とその顧客への提供を目指す。