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北朝鮮犯罪グループが盗んだ仮想通貨1億ドル超のマネロン関与で中国人2名起訴

iTunesギフトカードへの交換とミキシングで3500万ドル超を資金洗浄

(Image: Shutterstock.com)

米国司法省は3月2日、北朝鮮のサイバー犯罪グループLazarusが仮想通貨交換所をハッキングし不正に入手した仮想通貨のマネーロンダリングに関与したとして、中国人の李家东(Li Jiadong)氏と田寅寅(Tian Yinyin)氏を起訴した。同日、米国財務省も両名に対して制裁を加えたことを発表している。

発表によると、被告の両名は米国にて金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に未登録で資金移動業を提供。北朝鮮の口座から両名に送られた1億ドル相当の仮想通貨に対して、複数口座間での送受金を通じて仮想通貨の追跡を困難とさせるミキシング手法や、ギフトカードを利用した複数の方法で資金洗浄を行ったとされる。

被告の両名が受け取ったのは、Lazarusが2018年4月に仮想通貨交換所から盗み出した約9100万ドル相当の仮想通貨と、2019年11月に韓国の仮想通貨交換所から盗み出した950万ドル相当の仮想通貨。このうち、両名は3400万ドル以上の資金洗浄を終え、中国の銀行口座に保管した。また、140万ドル相当のBitcoinをiTunesギフトカードへ交換していたという。

司法省によると、FBIら米国の捜査機関と韓国警察の捜査により、被告の両名が資金洗浄に用いたとされる仮想通貨のウォレットアドレス113件が特定され、それら財産の差し押さえのため民事没収の訴状も提出されている。