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NEM財団、2019年の年間支出および活動内容をまとめ報告

年間予算677万ドル、全体の43%は技術開発費

NEM.io財団(NEM財団)は3月11日、新体制によりスタートを切った2019年の1年間の活動を総括する報告書「NEM Foundation 2019 ROI(投資収益率) Report」(以下、ROIレポート)を公開した。ROIレポートでは、年間予算に対する同財団の支出を報告し、組織の透明性を明確にすると共に、NEM財団の1年間の活動内容を説明する。

2019年のNEM財団は、新体制以前のプロモーション中心の活動から、プロダクト中心の組織へと改革し、次世代NEM「Symbol(NEM v.2)」の開発に注力しながら、同財団のガバナンス(企業統治)、サステナビリティ(財団運営の持続可能性)に取り組んできた。

NEM財団は、2019年当初は総額800万ドルの予算を確保したが、実際の予算は677万ドル程度に収まっている。

NEM財団 Expense Summary 2019(リリース資料より引用)

予算の使途は、全体の43%を技術開発費が占めている。技術開発費は、内訳として技術者の確保・雇用費用ほか、ウォレット、SDK、エクスプローラーなどツール開発の費用も含まれる。これはプロダクト開発に注力するといった当初の目論見通りであるという。

続いて大きく予算をさいているのが事業開発の15%、マーケティングの12%だ。Symbol(NEM v.2)の開発が進行し、ローンチ時期が近づくにつれ、その準備としてSymbolのブランドデザインと資料等のサポートに多くの費用がかかっている。また、イベントへの取り組みなども進行した。これらの多くは、2019年後半に集中しているが、その詳細についても公開されている。

運用業務や法務に9%、人事と財務に4%とそれぞれかかっているが、これは当初の予算通りに推移しているという。NEM財団は、組織運営が円滑に運ぶよう、チーム運用ツールにも投資している。この費用には、Eメールやビデオ会議ツール、顧客サポートプラットフォーム、プロジェクト管理ツールなどのソフトウェアサブスクリプションが含まれている。

その他にも、バグ修正には報奨金を出し、開発サポートにベンダーを使うなどにも予算をさいている。ベンダー費用には、モバイルウォレットの開発、日本市場戦略、ハードウェアウォレットの統合作業を含む翻訳などの作業が含まれている。

2019年は、新体制でチームをスタートした結果、各部門のエキスパートがそれぞれ責任を持ってプロジェクトを進めることができるようになり、しっかりと管理された組織の構築ができたとしている。Symbolが特定の業界のニーズをどのように満たすかに焦点を当て、新たなプロジェクトなども開始したが、これはすべて予算内で行うことができたという。NEM財団は、2020年のSymbol(NEM v.2)一般公開に向けてさらなる自信を持って取り組みことができるだろうと、報告書をまとめている。