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NEM.io財団が痛みを伴う改革を表明、プロモーション中心からプロダクト中心の組織に

Catapult(NEM v.2)の開発・持続可能性の計画・ガバナンス体制の立て直しに注力

(Image: Shutterstock)

 2019年、新体制によるスタートを切ったNEM.io財団(以下、NEM財団)は、新たに「Foundation - message to the community」(コミュニティの皆さまへ)と題し、NEM財団のこれからを示す新たな改革を表明した。これまでプロモーション中心に活動してきたNEM財団は、今後はプロダクト中心の組織へと改革をしていく。

 NEM財団は過去2年に渡り非中央集権型組織として世界各地でプロモーション活動を行ってきた。世界各地の支部に大きな裁量を与え、NEMに関わるプロモーション活動である限り自由に活動をさせてきたという。その結果、組織が正しく機能せず、苦しい運営状況にあることを明らかにした。

 新体制となった評議会は、2018年度のNEM財団の状況を改めて確認した。財団の目的に必ずしも沿わない活動や各地域で重複した活動が見られ、活動の評価基準が曖昧であること等を認識したという。資金に対する乏しい透明性、疑問符のつくようなROI(投資収益率)など、効率的な組織運営という観点からは、これまでの組織は失敗していることが明確であるとしている。

 そこでNEM財団の新組織は各地域代表体制を排除し、プロダクトに特化した組織に変わることを宣言する。今後の財団員は、CTO、CPM、CFO、CBO、COO、CMOと CROの率いるチームに配属される。各財団員は、明確な評価指標とROIを持ってチームのトップに業務の報告を行い、透明性と説明責任を持って評議会とコミュニティに報告を行うという。全ての資金使途はCFOにより追跡され、評議会の役割はそれを監督する立場になる。

 NEMはビジネスアプリケーションを構築するのに最も適したブロックチェーン技術の1つで、多くの開発者の支持を得ている。我々の取り組みは、業界を牽引すべく、さらに技術で先を目指す事であるべきとNEM財団はいう。特に、今後予定しているCatapult(NEM v.2)は、数多くの協業先に求められている新機能であり、あと数か月でその姿を表すという。

 NEM財団は、財団の業務・指示系統・ミッション等を完全にゼロから建て直し、新しいリーダー達と共に財団が大きなコミュニティを支えるために存在し、目標達成のため再出発する。今後は、プロモーションを中心とした組織から、プロダクトを中心とした組織へと移行することを改めて表明。今回の改革により、費用対効果も報告され、我々チームは一丸となりゴールに向かって進んでいくことができる体制になったことをメッセージとして伝えている。

 なお、今回のメッセージについて弊誌は、NEM財団の新代表であるアレクサンドラ・ティンスマン(Alexandra Tinsman)氏に尋ねたところ、以下のような返事が届いた。

 「今、財団が対峙している試練の中、私達はNEMの技術が優れている事を知っています。NEMは企業アプリケーションを構築すべく開発者が選ぶ、最適なブロックチェーン技術の一つです。この改革の目的は、業界を牽引すべく -さらに技術で先を目指す事- です」

 「カタパルトがNEM v.2としてパブリックのブロックチェーンに実装されると、提供される新機能は、数年に渡り業界や協業先から待ち望まれていたものを実現します。そして今後、展開される協業先とのアライアンスは、ROI(費用対効果)レポートを持って透明性を持ち報告されます」

NEM.io財団代表 Alexandra Tinsman