ニュース解説
イーサリアム、ハードフォークまであと2日。過半数のノードが未対応
年頭のブロック生成難度調整までマイナー中心に更新を見送りか
Ethereumは日本時間12月8日頃、第906万9000ブロックで「イスタンブール」ハードフォークを実施する予定だが、ethernodes.orgによると、期日まで2日を切った現時点で稼働中のノードの過半数がクライアントの更新を行っていない。
ethernodes.orgはオンラインのクライアントの「ベストブロック」(Best Block)を基準にデータを集計している。「ベストブロック」はクライアントが検証済みのブロックの内、メインチェーンに取り込まれた中で最新のブロック高を指す。この値がメインチェーンのブロック高と比較して差が10ブロック未満であれば「稼働中のノード」と判断する。これらのノードの情報を、直近の24時間分をまとめてほぼリアルタイムに表示している。
12月6日11時20分時点で、稼働中のノードが3420基あるとethernodes.orgは示している。このうち、「イスタンブール」対応済みのノードは36.8%に過ぎない。約2週間前の11月21日時点の値が25%だったことからすると、増加はしている。だが、ここ数日の推移を観測した範囲では最大で43%程度までしか伸びず、いまだ過半数に届いていない。
ノードの計算力は一定ではないため、単純にノード数からハードフォークの成否を判断することはできない。しかし、このままの状態でハードフォークのブロック高を迎えれば、従来よりもネットワークが不安定になる可能性は高い。注意が必要な状況だ。
ノードの「イスタンブール」対応が進まない背景には、2020年1月初頭にも後続の「ミューア・グレイシャー」のハードフォークが予定されていることが一因だと考えられる。ノードの一部はETHのマイニングを目的とし、彼らの関心は収益にある。そこに直結する採掘難易度の調整を行う「ミューア・グレイシャー」が重要であり、「イスタンブール」への関心が薄れているのではないだろうか。
2019年12月6日 12:13