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京セラ、バーチャルパワープラント高度化実験に米LO3 Energy社のブロックチェーン技術を導入

国内事業所に試験環境作り、IoTによる電源制御や電力融通の実証実験を開始

京セラ横浜中山事業所のVPP高度化技術実証の試験環境(プレスリリースより引用、以下同)

 京セラ株式会社は2月25日、米LO3 Energy Inc.(以下、LO3 Energy社)と共同で、VPP(バーチャルパワープラント)高度化技術の実証実験を発表した。実験は、京セラが横浜市内に持つ事業所に試験環境を整備し、2月28日から開始するという。LO3 Energy社のブロックチェーン技術や、IoTセンサーによる電源制御技術を活用し、VPP高度化技術における電源制御技術の確立を目指すとのこと。

 実験では、京セラの横浜中山事業所内に、太陽光発電システムおよび蓄電池等を設置し、複数の電力需要家(工場や店舗などの電力の使用者)を模した試験環境を整備する。送配電事業者が利用する調整力電源の制御精度向上が実験の目的となる。株式会社エナジーゲートウェイが開発する、「IoTセンサーによる家電分離技術」を用いて電源制御技術の確立を進めるという。

 また、試験環境内の需要家間の電力取引に、LO3 Energy社のブロックチェーン技術を活用したプラットフォームを利用する。複数需要家間での電力取引において、リソース管理技術の有効性を検証するという。これによって、事業所は太陽光発電由来の再生可能エネルギーを需要家間で融通するデモンストレーション環境としても機能するとのこと。

実証実験の概略図

 LO3 Energy社は、ブロックチェーン活用による再生エネルギーの利用を推進する企業。2016年には拠点を構える米国ニューヨーク州ブルックリンで、米国初となるEthereumのブロックチェーンを活用したピアツーピア(P2P)エネルギー取引プラットフォームの導入を発表した。以降は米国、欧州、豪州などの世界各地で実証実験を行っている。最近では、丸紅グループと共同で電力取引システム実証実験の開始を発表していた。