仮想通貨(暗号資産)ニュース

IBMの国際送金ネットワーク「Blockchain World Wire」72か国に対応

新たに6つの国際銀行がBWW上でのステーブルコイン発行に合意

 IBMは現地時間3月18日、同社の国際送金ネットワーク「IBM Blockchain World Wire」(以下、BWW)上で、6つの国際銀行が新たにステーブルコインを発行することを発表した。6行にはBanco Bradesco SA(ブラデスコ銀行)、Bank Busan(釜山銀行)、Rizal Commercial Banking Corporation(リサール商業銀行)を含む。6行の合意によって、BWWはユーロ、韓国・ウォンなど5つの法定通貨を新たにサポートする。合計47の通貨と44の銀行が提携し、72か国でBWWを用いたリアルタイムの国際送金が可能となる。

 IBMが開発するBWWは、Stellarのブロックチェーン・プロトコルを用いて、受け手と送り手銀行が直接やり取りする、リアルタイムの国際送金を実現している。仲介通貨として、Stellar社の仮想通貨Lumens(XLM)を使用する。送金の仕組は、送金者が預けた法定通貨を送り側銀行がステーブルコインに変換する。さらにBWW上でXLMに変換され、受け側銀行は受け取ったXLMをステーブルコインに変換して、受取人の口座に法定通貨で振り込む。

BWWと既存の国際決済システムの比較イメージ図(「IBM Blockchain World Wire を介した国際決済の仕組み」より引用)

 本システムに関してIBMは2018年7月より、フィンテック企業のStronghold社と共同で米ドルにペッグしたステーブルコイン「Stronghold USD」の実証実験を行っていた。実験の成果はBWWへと反映され、米ドルはすでにBWWのサポート通貨の一つとして数えられている。

 IBMは今回、6つの国際銀行がBWW上で独自のステーブルコインを発行することに合意したと発表している。各国の規制当局による承認や審査待ちとなるが、6行の内、ブラジルのブラデスコ銀行、韓国の釜山銀行、フィリピンのリサール商業銀行の合意を明らかにしている。6行の合意により、BWWはユーロ、インドネシア・ルピア、フィリピン・ペソ、韓国・ウォン、ブラジル・レアルの5種の通貨において、リアルタイムの国際送金に対応する。