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米IBM、メーカー間でサプライヤーの信用情報を共有するサービスを発表

ノキア・レノボらが活用を表明し2019年冬頃商用化。選定プロセスの効率化を実現

(Image: JuliusKielaitis / Shutterstock.com)

米IBMは8月5日、同社が提供するブロックチェーンサービスを活用した新たなブロックチェーンネットワーク「Trust Your Supplier」(トラスト・ユア・サプライヤー)を発表した。IBM自身と、レノボ、ノキア、ボーダフォンなどの大手電子機器メーカーらが加盟し、各社に部品を供給するサプライヤーの資格情報などを共有し管理する。ネットワークに参加するメーカーは、信頼できるサプライヤーの新規選定を効率的に進めることが可能になるという。

トラスト・ユア・サプライヤーは、ChainyardがIBMのBaaSであるIBM Blockchain Platform上に構築し提供する。ネットワークにはアンハイザー・ブッシュ・インベブ、シスコ、グラクソ・スミスクライン、レノボ、ノキア、シュナイダーエレクトリック、ボーダフォンの7社が加盟することが明らかになっている。IBMは同サービスに4000社以上のサプライヤー情報を登録し、2019年10月以降に提供を開始する予定だ。

テック企業によるサプライヤーの新規選定において、従来の手法ではメーカー側とサプライヤー双方に複雑な書類のやり取りが発生する。ISO証明書や銀行口座情報、税務証明書など、各種書類の追跡をブロックチェーンを用いて実現し、手間のかかるプロセスを取り除くのがトラスト・ユア・サプライヤーの1つの機能だ。この技術はサプライヤーの新規選定にかかる時間を最大80%削減するとしている。

このネットワークで認可を受けたサプライヤーは、ブロックチェーン上でデジタルパスポートを発行される。パスポートはいわば手形の役割を果たし、手形を持つサプライヤーは買い手となるバイヤーとの間で情報の共有を始めることができる。バイヤーは改めて独自の検証プロセスでサプライヤーの信頼性を評価する必要がなく、すぐにビジネスに取りかかることが可能だという。