ニュース解説

仮想通貨ステラルーメンの特長は高速・低手数料・価格の安定・トークン発行

個人利用を最重視のStellar Lumens(XLM)。IBMの海外送金計画にも活用

(Image: Shutterstock.com)

Stellar Lumens(ステラルーメン)は、Stellar社が開発するブロックチェーンStellar Ledger(ステラ台帳)上で発行される仮想通貨。元Ripple(リップル)の開発者らが中心となって作られ、2014年7月31日に公開された。現在、オープンソースプロジェクトとして開発が進められている。基本的な仕様はリップルと似ている点が多く、Bitcoinよりも処理が高速で手数料が安価(約100万分の1ドル)である。

リップルがXRP Ledger(XRP台帳)で発行する仮想通貨XRPが、徐々に流通総数を減少させていく設計であるのに対し、XLMは毎年の発行枚数が設定されており、流通量が減少しない。システム上、XLMの価格は過度な上昇が抑えられる。この理由は、XRPが銀行間取引などの法人利用の大規模取引を重視しているのに対し、XLMは個人間の決済での利用を重視しているところにある。価格が高騰しすぎると、個人では扱いにくくなってしまうのだ。

ステラ台帳ではトークンの発行が簡単に行える点でもXRP台帳と差別化されている。XRP台帳でも個人的なトークン発行は可能だが、推奨はされていない。ステラ台帳上でのトークン発行に関しては、DMMの高知明氏による連載記事「Stellarでおれおれトークンを作る!!」にて詳しく説明しているので、併せてご確認頂きたい。

XLMは、国内では仮想通貨交換所Coincheckが初めて上場し、2019年11月12日から取り扱う予定だ。すでに世界中の複数の仮想通貨交換所に上場しており、公開から4年間でステラのブロックチェーン上には300万の個人口座があり、4億5000万件以上の決済が行われたという。

ステラルーメンを決済に活用するプロジェクトもある。最も有名なものでは、IBMの国際送金ネットワーク「Blockchain World Wire」が、外貨交換時の媒介通貨の1つとしてXLMを採用することを明らかにしている。同プロジェクトには44の銀行が提携し、47種の通貨を用いて72か国でのリアルタイム送金を実現する計画となっている。