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イーサリアムERC-721活用、映像作品のアートワーク所有権売買サービスが始動

所有権はアニークのサービス内で取引可能。売買金額の一部を制作者に還元

アートワークのオーナー証明書イメージ図(Aniqueより引用、以下同)

 Anique株式会社は5月8日、アニメ・マンガ・ゲームなどのアートワークを所有・売買するサービス「Anique」(アニーク)の提供を開始した。同サービスはEthereumのERC-721トークンを利用し、アートワークの所有権を証明することができる。発行されたトークンはアニーク上でのみ取引できる。利用者間の二次流通を含め、売買金額の一部がアートワークの制作者に還元される仕組みとなる。

 アニークは第1弾として、アニメ「進撃の巨人」のアートワーク26点のデジタル所有権を抽選販売する。デジタル所有権の価格は税別で1万円、支払いはクレジットカード決済となる。アートワーク自体の所有権の他、その制作過程にあたる絵コンテやラフ画等の閲覧権も付属するという。

アニークが第1弾として販売するアニメ「進撃の巨人」のアートワーク

 また、所有者は1点に限りアートワークの額装セル画(デジタルデータのセルフィルム印刷物)を発注することもできるとのこと。価格は配送料・税別で5万円。

額装セル画のイメージ図。アートワーク一点につき1枚のみ注文可能。

 アートワークの所有権は複製不可能なNFT(Non-Fungible Token)として発行されるため、作品は世界で1点のみ存在し一人だけが所有できる。所有者の情報はEthereumのブロックチェーン上に記録され、外部からも確認できるという。

 アニークは、アートワークという映像作品の副産物をトークンで価値化し、それを流通するプラットフォームだ。作品の制作者はアートワークの販売によって得た資金を次回作の制作に充てることができる。その収益還元率について、同社は具体的な数字は回答しなかったものの、「物理的なグッズよりも還元率は高い」としている。

 アニメーション作品においては、ブルーレイディスクをはじめとした映像データの売れ行きが減退傾向を強めるなど、その制作資金の回収問題が昨今取り沙汰されている。同サービスが一つのソリューションとして機能することに期待したい。