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Google Cloud+イーサリアムのハイブリッドDApps開発が可能に

ChainlinkがBigQueryに対応しブロックチェーンとクラウド基盤の連携を実現

Chainlinkのイメージ図(発表資料より引用)

米Googleは6月14日、同社のビッグデータ解析サービス「Google BigQuery」のデータをEthereumのDApps上で利用する手法として、ミドルウェアChainlinkとの連携対応を発表した。DAppsを構成するスマートコントラクトに、BigQueryをはじめとしたさまざまな外部データの入力を用いることができる。スマートコントラクト基盤とクラウド基盤の活用したハイブリッドアプリケーションの開発が可能になるとのこと。

Chainlinkはブロックチェーンのスマートコントラクトにおける、外部データの読み込みに関する課題を解決する。スマートコントラクト上でオフチェーンのデータやAPIなどの外部リソースを取り込むには、データの中継ぎを行うオラクルノードを用いる。

オラクルノードが中央集権的である場合、外部データの取り込みについてオラクルノードを信用しなければならず、スマートコントラクト自体の信頼性を担保できない。Chainlinkでは、分散型のオラクルノードによってトラストレスな外部データの入力を実現する。

ChainlinkのBigQueryとの連携では、まずEthereum DAppsがChainlinkのオラクルコントラクトを呼び出し、データを要求する。Chainlinkのオラクルノード群が相互に監視を行いながら、Google App EngineとBigQueryで構築されたWebサービスからデータを取得する。

Googleは今回の発表で、スマートコントラクトにおける外部データの活用例を示した。その1つは、分散型取引所(DEx)で課題となるフロントランニングの問題を解決するもの。DExでは取引をブロックチェーン上で行うため、他人の入札を見て先回りして入札を行うことが理論上可能だ。

フロントランニングの解決策として、トランザクションの発行時点では情報を秘匿し、発行から指定のブロック経過した後に情報を公開する、サブマリン送信(Submarine Send)という手法が考案されている。サブマリン送信を活用すれば入札の先回りを阻止できるが、データの肥大化という問題がある。オラクルノードの外部データ呼び出しを用いてサブマリン送信を実装することで、データ肥大化の問題を解消できるという。

GoogleのBigQueryは2019年2月より、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)をはじめとした8種類のブロックチェーンのデータセットを提供している。Chainlinkとの連携によって、これらのデータを活用したDAppsの開発が可能となる。