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ウォルマートの仮想通貨、Facebookリブラとの共通点や相違点は?

利息がつく可能性、タバコやアルコールは購入制限

(Image: Jonathan Weiss / Shutterstock.com)

ウォルマートが、デジタルコインの発行を検討していることが明らかになった。同社が米国特許商標庁(PTO)に提出した特許出願書類からは、Facebookが発行を計画する仮想通貨Libra(リブラ)との類似点が多々見られる。

出願書類で、ウォルマートはそのデジタルコイン(仮称:ウォルマートコイン)を「標準通貨にひも付いている」と説明しており、リブラと同じく米ドルに連動するステーブルコインになることが示唆されている。

また出願書類には、「銀行サービスを受けられない人の融資の手段になることを目指し、多くのユーザーに利用してほしい」という内容が記載され、この点もリブラと共通している。

ウォルマートコインは「銀行をハードルが高いと感じる低所得の家庭の新たな選択肢」で、「日常のファイナンスや買い物のニーズの大部分に対応できる」という。

リブラは、Facebookが運営するSNSでの決済ツールにもなり、広告出稿の支払いにも使われる予定だ。ウォルマートコインも、ユーザーだけでなく審査を通過した小売業者やパートナー企業で使われることを想定しており、リブラ協会のようなネットワークが作られる可能性がある。

ユーザーはコインを貯蓄、消費できるだけでなく、簡単に法定通貨に替えられるという。

リブラにはないウォルマート独自の機能もある。

リブラは、運営主体のリブラ協会に入るために1000万ドルの会費が必要だ。ウォルマートコインはこういった記載はなく、ユーザーが利息を得られる可能性について言及されている。

また、ウォルマートコインのユーザーの購買履歴はブロックチェーンに記録される。この記録は信用スコアなどに利用される可能性がある。

購入できる物品に制限を設けるのも、ウォルマートコインの特徴だ。アルコール、タバコ、R指定のDVDなどは購入を制限すると書かれている。

ウォルマートはブロックチェーンを活用した物流やサプライチェーンの効率化に投資を加速している。

6月には中国で、ブロックチェーンのトレーサビリティ・プラットフォームをローンチ。買い物客はQRコードを読み取って生産や検査、流通履歴を知れるようになった。23商品でスタートし、今年後半には100商品への拡大を予定している。