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イーサリアムクライアントの1つがハイパーレジャーに正式採用

ConsenSysのパンテオン改め「Hyperledger BESU」両技術の架け橋に

非営利団体The Linux Foundationが運営するクロスインダストリー(異業種連携)共同開発プロジェクトHyperledgerは8月29日、15番目のプロジェクトHyperledger Besu(ハイパーレジャー・ベイス)を発表した。同プロジェクトは、Javaで記述されたオープンソースのEthereum(イーサリアム)クライアントとなる。

Hyperledger Besuは、これまでPantheon(パンテオン)の名で、Apache 2.0ライセンスの下で開発されてきたプロジェクトで、ConsenSysのプロトコルエンジニアリングチームPegaSysが開発を担当している。Ethereumパブリックネットワークまたはプライベートネットワーク、Rinkeby、Ropsten、Görliなどのテストネットワークで実行可能だという。

Hyperledger Besuは、Enterprise Ethereum Alliance(EEA、Ethereumの企業利用を進める団体)仕様に準拠し、EEAクライアント仕様に合わせたエンタープライズ機能を実装する。また、オープンな開発と展開をするプラットフォームを目標に、クリーンなインターフェースとモジュール化を目指す。Hyperledger Besuの各要素は可能な限りモジュール式に設計されており、コンセンサスアルゴリズムとそのほかの主要ブロックチェーン機能を分離し、コンポーネントのアップグレードまたは実装を容易にする仕組みを導入している。

ネットワーク、ストレージ、EVM(プログラム実行環境)などクライアント内の要素間にクリーンなインターフェースを作成することで、企業のニーズに合わせたEthereumの構成を可能にし、開発時間の短縮が見込める。また、同時にほかのHyperledgerプロジェクトが、Besuの各要素をコードベースで統合し使用する機会が生まれるという。

Ethereumクライアントの1つであるHyperledger Besuには、Ethereumブロックチェーンでトランザクションを処理するための実行環境、トランザクション実行に関連するデータを永続化するためのストレージ、ネットワーク上のほかのEthereumノードと通信し同期するためのピアツーピア(P2P)ネットワーキング機能、アプリケーション開発者がブロックチェーンと対話するためのAPIが内包されている。

APIは、スマートコントラクトおよびDAppの開発、展開、運用上のユースケースなど一般的なEthereum機能をサポートする。クライアントは標準のJSON-RPC APIを実装し、エコシステムツールとの統合を容易にする。認可制のプライベートまたはコンソーシアムネットワークの作成もサポートしている。

Hyperledger Besuアーキテクチャ(発表資料より引用)