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JCBA、仮想通貨デリバティブ取引の板取引は金融商品市場開設行為ではないと提言

改正金商法における、あるべきデリバティブ規制について提言書を公開

(Image: Shutterstock.com)

日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は9月6日、仮想通貨(暗号資産)のあるべきデリバティブ規制について、提言書として「デリバティブ規制に関する提言書」をまとめ、公開した。仮想通貨デリバティブに関する法規制として理想形を目指す観点に立ち、JCBAはデリバティブ部会を立ち上げ、あるべきデリバティブ規制について検討してきた。

日本は、改正金融商品取引法(改正金商法)にて、仮想通貨のデリバティブ取引が金融商品として組み込まれることになった。これを踏まえ、あるべきデリバティブ規制について、同協会のデリバティブ部会はこれまでの議論を基に提言書をまとめ、新たな市場の健全な成長のため、協会として提言をする。

改正金商法の施行後は、板取引による仮想通貨デリバティブ取引を行う場を提供する行為が、これまで原則として禁止されてきた金融商品市場の開設行為にあたらないかが問題となる(金商法第80条)。

提案書では、まず仮想通貨デリバティブ取引におけるオーダーブックを用いた取引、いわゆる板取引は、当該取引を行う場を提供することは、金融商品市場の開設行為には当たらないと解されるべきであるとした。

仮想通貨の現物取引は、資金決済法の適用を受けることから板取引が認められる一方で、金商法適用のデリバティブ取引の板取引が事実上不可能になることは、流動性供給を抑制することになり、健全な市場形成に支障を来す可能性があるという。また、仮想通貨デリバティブ取引市場の健全な発展を阻害する可能性がある。当該行為が金融商品市場の開設行為という解釈は実態的にも形式的にも妥当でないと考えると、提言している。

また、仮想通貨デリバティブ取引の履行として行われる仮想通貨現物の交換取引(スワップ取引やオプション取引など)については、仮想通貨交換業には該当しないと解されるべきであるという。ただし、当該仮想通貨現物を利用者のために金商業者が預かる場合には、カストディ業務行為として、仮想通貨交換業に該当するべきと考える、と提言をする。

JCBAは、この提案書をもって、今後、関係各所と調整を図っていくとした。