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IBM、ホタテ貝の水揚げから料理として提供されるまでを透明化

ブロックチェーンに記録した情報は将来的な漁業戦略にも活用

(Image: Shutterstock.com)

米IBMは10月17日、同社が開発する食品追跡システム「フードトラスト」(Food Trsut)を用いて、新たにホタテ貝の流通をデジタル化したことを発表した。Raw Seafoods社が主導するこの取り組みは、ホタテ貝の水揚げからレストランに渡り調理されるまで、その選別と梱包、輸送の過程を記録。消費者を含めた関係者全員に向け、ホタテの情報を透明化する。

フードトラストは、IBMと米Walmartとの取り組みから始まった食品トレーサビリティのシステムで、ブロックチェーン技術のHyperledger Fabricをベースに開発された。国内でも伊藤忠が同システムを用いたコーヒー豆のサプライチェーン透明化に取り組んでいるなど、さまざまな食品の由来を明らかにするために用いられている。

ホタテ貝のサプライチェーンでは、大西洋でホタテの水揚げを行うダニー・アイラーツェン(Danny Eilertsen)船長率いる漁業船団が調達を担う。いつ、どこでホタテを水揚げしたのか、ロット単位で識別しネットワークに記録していく。この情報は、小売業者やレストランに共有されるだけでなく、将来的な漁業戦略にも活用されるという。

水揚げされたホタテは、米南西部の食品会社Santa Monica Seafoodsが、系列のレストランを通じて提供する。Raw Seafoods社は今後、このエコシステムをさらに拡大していく方針であり、消費者向けにホタテの由来を簡単に確認できるアプリを提供する予定だという。