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中国のブロックチェーン市場支出、2023年に6倍の20億ドルに=IDC予測
ブロックチェーン強国目指す習近平国家主席の方針が追い風に
2019年11月5日 12:41
市場調査会社IDCの中国オフィスは11月4日、中国の政策の追い風によって今後4年間で中国のブロックチェーン市場が年65.7%成長し、2023年のブロックチェーン市場の支出が20億ドルに達するとの試算を公表した。
10月下旬、習近平国家主席がブロックチェーン強国を目指す方針を掲げ、中国では同技術への関心が急騰。主要メディアが一斉にブロックチェーンを取り上げ、株式市場でも関連銘柄が値上がりしている。
IDC中国ブロックチェーン市場リサーチディレクターの壁宇氏は、「リーダーたちがブロックチェーン技術を肯定し、市場を認識したことは、2019年の中国のブロックチェーン市場で最大のニュースだ。このことは技術の普及に計り知れない作用をもたらすだろう」と述べた。
IDCは9月に「グローバル2019年上期ブロックチェーン支出ガイド」を発表。2019年のブロックチェーンソリューションの支出額は、米国が11億ドルと世界最大で、西ヨーロッパ(6億6100万ドル)、中国(3億400万ドル)が続くと報告していた。予測に基づくと、中国市場は今後4年で6倍に膨らむことが期待される。
中国市場の支出を産業別にみると、最も支出が多いのは銀行業で、組み立て製造、小売り、専業サービス、プロセス製造と続く。この5大産業で全体の73%を占める。
IDC世界ブロックチェーンストラテジーリサーチディレクターを務めるジェームス・ウェスター(James Wester)氏は、「ブロックチェーンについて日に日に公開の場で議論されるようになり、企業が技術の応用、実用化を進める中で、導入例も急増している。実証実験プロジェクトでその価値を確認した企業は、正式運用の準備に入っている。政府の管理や法規などの不確定要素はあるものの、政策は金融サービス、身分証明、貿易などへの導入をサポートする傾向にある」と述べた。