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習近平主席「中国はブロックチェーンで世界の先頭を走る」

経済・社会への導入向け投資加速を明言

(Image: Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com)

習近平中国国家主席は10月24日、中国共産党中央政治局が開いたブロックチェーン関連の研究会に出席し、「ブロックチェーン技術の応用は、新たな技術革新と産業のイノベーションにおいて重要な役割を担う。我が国はブロックチェーンのコア技術を自主イノベーションの需要な突破口として、力を入れていかなければならない」と述べ、投資を加速する考えを示した。

習主席は、「世界の主要国家がこぞってブロックチェーン技術の発展を支援している。我が国も積極的にブロックチェーンを経済・社会に導入し、発展を図っていく」と述べた。同時に、ブロックチェーン技術の標準化を進め、中国の国際的な発言力やルール制定力を高めることに意欲を見せた。

習主席は2018年5月に中国科学院が開いたイベントでも、ブロックチェーンを人工知能(AI)、量子コンピューター、モバイル通信、IoTと並ぶ次世代技術の代表と位置付ける発言。中国の各部署に向けて、ブロックチェーンの将来性を見誤ることがないよう呼びかけ、さらに「ブロックチェーン技術で世界の先頭を走る」との決意を宣言している。

仮想通貨はNG、ブロックチェーンはGO

中国は2017年、詐欺や投機的な行為を抑制し、投資家を保護する名目で、仮想通貨の取引やICOを全面禁止した。一方、仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーンについては、国力を高めるための次世代技術として推進している。

政府の五か年計画にも2016年12月、「ブロックチェーン」という用語が初めて登場した。

テンセント(騰訊)グループが今月公表した「2019年テンセントブロックチェーン白書」によると、2019年6月時点で中国25省、市、自治区、特別行政区がブロックチェーン関連政策を導入しており、裁判所の訴訟前手続きや、市民向けの行政サービスの効率化に活用されている。

中央銀行の中国人民銀行も、デジタル人民元の発行準備を急ピッチで進めている。人民銀は2017年からデジタル通貨の研究に着手したが、Facebook(フェイスブック)が今年6月に仮想通貨「Libra(リブラ)」計画を発表したのを機に、開発を加速したことを認めている。人民銀の穆長春決済司副司長は8月10日、中国で開かれたフォーラムで、「デジタル人民元はいつでも出せる状態」と発言した。