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中国テンセントのブロックチェーン仮想銀行、香港で営業許可取得

「現在は爆発的普及の入り口」

(Image: StreetVJ / Shutterstock.com)

中国IT大手のテンセント(騰訊)の蔡弋戈ブロックチェーン事業総経理は11月8日、第2回世界ブロックチェーン大会で「デジタル資産時代の新時代」のテーマで講演し、テンセントバーチャル銀行の営業許可を香港で取得したことを明らかにした。既にブロックチェーンバーチャル銀行のチームづくりに着手しているという。新浪財経などが伝えた。

蔡弋戈氏は、「ブロックチェーンは爆発的普及の入り口の段階だ。本格普及においてネックとなるのはブロックチェーンそのものではなく、ゲートウェイは補助技術であって、IoT、AIなどの技術との融合も課題となる」と述べた。

蔡弋戈氏によると、香港はデジタル資産の取引の監督ルールの整備に取り組んでおり、ブロックチェーンとデジタル資産業界に追い風が吹いているという。

テンセントはブロックチェーン技術の社会実装を着実に進めている。2018年8月には、国家税務総局深セン税務局と共同で、全国初のブロックチェーン技術を用いたE領収書(発票)を導入した。

中国の正式な領収書は、国税当局が管理した用紙と台帳を使用し、発行後は国税当局に売り上げや税額を報告する義務がある。現行のシステムでは、この領収書を当局から購入したり、直接やりとりする手間がかかるだけではなく、受け取った側も紛失するリスクがあり、経費計上や請求のわずらわしさがあった。

E領収書の導入によって、発行から受け取り、税額計算までのプロセスは大幅に改善。今年7月には雲南省がテンセントと協力し、観光地のチケットの購入、発券、領収書発行に全国で初めてブロックチェーンを導入するなど、技術の実装が広がっている。