仮想通貨(暗号資産)ニュース

韓国中央銀、「デジタル通貨発行のトレンドには乗らない」

国民から既存の決済手段に不満出ていない

(Image: Shutterstock.com)

Facebookの仮想通貨「Libra」(リブラ)に対抗するため、中国や欧州連合(EU)が中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)開発に動く中、韓国の中央銀行である韓国銀行(BOK)の関係者は、「目下、デジタル通貨を発行する計画はない」と述べた。韓国の英字メディアThe Korea Times(コリアタイムス)が11月24日に報じた。

韓国銀行でデジタル決済の調査を担当する職員は、「世界の金融規制当局と同様にリブラのようなステーブルコインに規制を課す方法に関心を持っている」と述べた上で、「政府や中央銀行が管理するデジタル通貨を発行する計画は、当面ない」と語った。

この担当者は、韓国国民が既存の決済手段に大きな不満を持っていない現状を挙げ、「セキュリティーや安定性が十分に確認されていない状況で、無理に最新のトレンドに追いつく必要性がない」とした。

Facebookが今年6月にリブラ計画を発表して以降、各国はCBDCの検討を具体化させている。最もリードしているのは中国と見られ、中国人民銀行幹部は8月段階で、「(技術的には)いつでも出せる状態」と述べた。

キャッシュレス化が急速に進み、2025年には現金流通がなくなるとの見通しもあるスウェーデンでも、スウェーデン国立銀行によるデジタル通貨「e-krona(イークローナ)」の試験運用が来年計画されている。

EUも欧州中央銀行(ECB)に対し、デジタル通貨の発行を検討するよう働きかけている。