仮想通貨(暗号資産)ニュース
英国領ヴァージン諸島、独自ステーブルコインを計画
米ドルに1対1で連動、領土内通貨として使用検討
2019年12月4日 12:14
カリブ海に浮かぶ英国領ヴァージン諸島は、独自の暗号通貨(仮想通貨)の発行を計画しているという。ブルームバーグが12月4日に報道した。
カリブ海にある英国海外領土では、米ドルが通貨として使われているが、英国領ヴァージン諸島は米ドルに1対1で固定されたトークンを発行し、領土内の通貨として使用することを検討しているという。
英国領ヴァージン諸島には、ステーブルコインのTether(テザー)を発行するBitfinex(ビットフィネックス)が本社を置いている。
国の法定通貨を代替するステーブルコインの発行プロジェクトは、今年に入って一大トレンドとなっている。代表的なのは中国で、中央銀行である中国人民銀行が、現金の人民元に代わるデジタル人民元の開発を進めている。キャッシュレス化が急速に進み、2025年には現金流通がなくなるとの見通しもあるスウェーデンでも、スウェーデン国立銀行によるデジタル通貨「e-krona(イークローナ)」の試験運用が来年計画されている。
小規模国家では、米ドルを法定通貨とするオセアニアのマーシャル諸島が今年9月、デジタル法定通貨「Sovereign/SOV(ソブリン)」の発行計画を公表した。ただし、国際通貨基金(IMF)は、マーシャル諸島の経済政策に関する報告書で、デジタル通貨導入の利益は「経済、評価、ガバナンスのリスク」にかかるコストに比べてはるかに小さいと指摘し、デジタル通貨を法定通貨にする計画の再考を求めている(参考記事)。