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南アフリカの中央銀行、仮想通貨使用に新規制

来年第1四半期導入、資産流出を防止

(Image: Shutterstock.com)

南アフリカ共和国の中央銀行である南アフリカ準備銀行(SARB)は、国際送金の規制逃れのために仮想通貨が利用されることを防ぐため、デジタル通貨・仮想通貨の使用に関して2020年第1四半期に新たな規制を導入すると表明した。南アフリカメディアのBusiness Reportが報じた。

報道によると南アフリカは海外送金に上限額を設けており、富裕層は規制を逃れるために仮想通貨を使って資産を国外に移している。新規制はこのような法の死角を突いた資産の送金を封じるために整備された。

すでに現地銀行のファースト・ナショナル・バンク(FNB)は、仮想通貨企業との取引制限に着手し、仮想通貨を扱う企業の法人口座を全て閉鎖したという。これに対して南アフリカ最大のブロックチェーンコミュニティ「SA Crypto」は、「保守的な規制は南アフリカのイノベーションを妨げるだけでなく、同国への投資の障害にもなる」と抗議する声明を出した。

米国に拠点を置くベーカー&マッケンジーが2018年に公表したレポートによると、SARBは2014年に「仮想通貨は南アフリカの法定通貨ではなく、支払いには使えない」とする声明を発表。2017年にも再び、「仮想通貨を通貨と認めない」とする文書を出した。

だが、実際には国内で仮想通貨は広く流通しており、仮想通貨を含むブロックチェーン技術を、フィンテックの一環として新興する取り組みも見られる。