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米SEC、IEO投資に注意喚起「承認は一切ない」

証券法の違反懸念など問題点を指摘し投資家へ警告

(Image: Shutterstock.com)

米国証券取引委員会(SEC)は1月14日(現地時間)、投資家に向けてIEO(Initial exchange offerings)への投資について、注意を促す警告を行った。現在、米国内でIEOを称する投資銘柄は、そのすべてがSECの承認を受けていないという。

IEOは、事業者自身がトークンを発行して資金調達を行うICOとは異なり、事業者がトークンの発行を仮想通貨交換所やオンライン取引プラットフォームに委託し資金調達を行う新しい方式となる。仮想通貨交換所らが事業者を審査し、そのプラットフォーム上にトークンを上場するため、投資家保護の観点からはICOよりも信頼できる方式と考えられている。

しかし、IEOへの投資を検討する場合は、注意が必要であるとSECは注意喚起する。米国においてIEOを実施するオンライン取引プラットフォームは、通常はSECに登録されておらず、自らを「取引所」と称し、不適切な取引を行っている可能性もあるという。

IEOによる新技術や金融商品としての価値の提供や、IEO内容が取引プラットフォームによって審査されているという主張は保証されるものではなく、新しい投資スペースで高いリターンを得られるという誤った印象を投資家に抱かせるものの可能性もあるという。

さらには、IEOは連邦証券法に違反して実施される可能性もあり、SECの登録証券発行に対する投資家保護の多くが欠如している可能性も否めないという。IEOについてもICOと同様、募集内容に応じて、有価証券の提供と販売が含まれる場合がある。つまり、IEOは、連邦証券法に基づく募集に適用される登録要件の対象となることもあるという。登録とは、デジタル資産を提供する事業者が、その事業者自身や事業についての重要な開示を提供しなければならないことを意味する。

さらに、IEOを含むオンライン取引プラットフォームは、SECへの登録が必要であり、ブローカーまたはディーラーとしてFINRAなどの自主規制機関のメンバーでなければならない。SECに登録されたブローカー・ディーラーは、SECの顧客保護基準に準拠した方法での行動を含め、その行動を規定し、投資家に対して重要な保護措置を提供する法律および規制要件の対象となる。

IEOへの投資を検討する投資家は、IEOに関与する事業者と取引プラットフォームが連邦証券法を順守しているかどうかを慎重に検討する必要がある。また、ICOが急速に発展した際には詐欺も横行したが、IEOの発展は詐欺師たちに似たような機会を提供する。投資家は、注意しなければならないとした。

IEOまたはIEOをホストする取引プラットフォームの主催者が、自分たちはSECに承認または登録されていると述べていることもあるが、SECが承認したIEOなどは一切ないと、SECの警告は結んでいる。