仮想通貨(暗号資産)ニュース

香港とタイの中央銀行、デジタル通貨の研究成果発表

両地域間で越境リアルタイム送金を実証実験

(Image: Shutterstock.com)

香港とタイの中央銀行である香港金融管理局とタイ銀行は1月22日、共同で取り組んでいた法定デジタル通貨(CBDC)の研究成果を発表した。

両組織は2019年5月から、CBDCの越境決済への応用について研究し、タイバーツと香港ドルのリアルタイムでの交換と送金の実現可能性を探ってきた。

共同研究では、香港の2金融機関とタイの8金融機関、テクノロジー企業の米R3社が参画し、新たに開発した分散型台帳技術(DLT)に基づいた実証実験を実施。デジタル通貨の両替、銀行間のリアルタイムでの資金移動、為替取引、法律法規への対応などを検証した。

香港金融管理局とタイ中央銀行は今後も研究を進める。

金融管理局総裁補佐の劉応彬氏は「共同研究は、従来型の越境決済の効率の低さやコストの高さを解決する重要な一歩だ。ブロックチェーンを用いた技術の可能性と、それに伴う問題を把握するだけでなく、中央銀行が発行するデジタル通貨を検討する上で知見を得られる」と述べた。

タイ銀行の副総裁Mathee Supapongse氏は、「プロジェクトは現在の課題の解決を目標に、新たな越境決済モデルの実現性を検証した。プロジェクトの設計と研究成果は、中央銀行が越境決済を考えるときに、新たな方向性を提供するだろう」と述べた。

共同研究の成果レポート(英文)は、こちらからダウンロードできる。