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電通と朝日新聞社ら7社、ニュースやマンガ等「n次流通」収益化の研究に着手

スタートバーンのアート用ブロックチェーン×シビラの分散型ID

コンテンツn次流通の概念図

電通は1月22日、ブロックチェーンを活用したコンテンツのマネタイズに関する共同研究の開始を発表した。「n次流通プロジェクト」と題された本研究では、ニュース、マンガ、アニメなどのコンテンツの2次創作以降の流通にて、原著作者へ権利料やn次創作者などの報酬が正しく発生する流通基盤の研究を行う。

研究には電通を含め下記7社が参加する。

  • 電通
  • 電通国際情報サービス(ISID)
  • VOYAGE GROUP
  • シビラ
  • 角川アスキー総合研究所
  • 朝日新聞社
  • スタートバーン

研究は、各社が役割を分担する。スタートバーンが開発する「アートブロックチェーンネットワーク」(ABN)が本研究に提供される。ABNは、Ethereum上でERC-721トークンを用いて芸術作品の来歴管理を行う技術。今回の研究対象となるコンテンツに関しても、管理が必要な情報は基本的に似たものと考えられる。ABNを応用すれば、これらを扱うことも可能だということは想像に難くない。

インセンティブの配布は自動化するとのことだが、この部分はシビラが担当。同社が持つ分散型ID技術「プログラマブルID」を用いるという。国際ID規格の「DID」に準拠し、スマートコントラクトを用いて個人がIDの利用範囲や提示範囲を制限できる。

これらを基盤とし、インフラの運用部分でISIDが技術を提供。角川アスキー、朝日新聞といったコンテンツを持つ各社が協力してインセンティブ設計を行いながら、電通、VOYAGE GROUPが実効性の評価などを行っていくのが共同研究の形だ。

最初の実証実験は、角川アスキーが運営する「ePub Viewer for Twitter」を通じて3月に行う予定だという。下図に示すTwitter上でのコンテンツ流通モデルについて、「n次流通」に関与したユーザーと制作者への正当なインセンティブ設計ができているかを確認することなどを目的としている。

実証実験で想定する漫画コンテンツのn次流通モデル