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中国の方向性示す「1号文書」ブロックチェーンの農業への応用言及

農家の所得向上など三農問題の解決に活用

(Image: Shutterstock.com)

中国国務院(内閣に相当)は2月5日、今年1年の重点政策を示す「中央1号文書」を発表、IT活用による農業の効率化に言及した。

中央1号文書は、毎年春節明けに発表され、国が力を入れる方向を示すものとして注目される。21世紀に入ってからは、「三農(農業・農村・農民)」問題が提起されることが多く、今年も17年連続で三農問題がトップテーマとなった。

2020年の中央1号文書では「農産品の効率的な供給と農民の増収」や「農村のインフラ整備」などに力を入れることが強調され、「農村の生活水準を健康的で余裕があるものに引き上げ、貧困をなくす」目標が前面に打ち出されている。

中国全体の経済力が向上する中でも、都市と農村の格差は広がっており、発展から取り残された農村の不満が、共産党政権のリスクとしてくすぶっていることを反映している。
また、習近平国家主席が2019年10月に「ブロックチェーン強国」を提唱した流れを受け、農業のIT化の一環としてブロックチェーンの活用が盛り込まれていることも、今年の特徴と言える。

文書には、農村のデジタル化の取り組み推進に1項目を割き、IT化モデル農村の設置や、農村のビッグデータセンター設立、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン、人工知能(AI)、5Gなどの現代ITテクノロジーを農業への応用などを提唱した。

中国では食の安全・安心への関心の高まりを受け、既にウォルマートがブロックチェーンを活用した食品のトレーサビリティーシステムを導入しているが、政府の強い後押しを受け、今年は農業のより広い分野でブロックチェーンの実装が進みそうだ。