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中国で「暗号法」成立。「暗号技術」の実用化全面支援

ブロックチェーン業界のカンフル剤に2020年1月1日施行

(Image: Shutterstock.com)

中国の全国人民代表大会常務委員会は10月26日午後、暗号の応用や管理のルールを定め、暗号ビジネスの発展やインターネットセキュリティを保障することを目的とした「暗号法」を可決した。2020年1月1日に施行される。

習近平国家主席が25日にブロックチェーン技術の発展を後押しする発言をしたことに続き、暗号法の可決は、中国ブロックチェーンの強力なカンフル剤として注目されている。暗号法の草案は6月に公表され、法案の成立が確実となった10月以降、ブロックチェーン関連株の上昇が目立っていた。

暗号法は全44条からなり、暗号の定義や政府が管理する暗号の種類、違法行為への罰則などを定めている。9条では「政府は暗号科学技術の研究と実用化を支援し、暗号分野の知的財産権を保護することで、暗号科学技術の進歩とイノベーションを促進する」と定めたほか、暗号分野の人材育成やチーム構築を強化するため、突出した貢献を見せた組織や人物を表彰したりボーナスを支給する制度も整備すると明記している。

中国は仮想通貨の取引やICOを全面禁止しているが、ブロックチェーンは中国のイノベーションを進める次世代技術として、人工知能(AI)やビッグデータなどと同列に位置付けている。

公共サービスにブロックチェーンを導入し、効率化を高めようとする地方政府も増えている。

中国知財メディアのIPRdailyによると2019年前半、ブロックチェーン関連の特許申請件数が世界で最も多かった企業は、中国EC最大手のアリババで、2番目に多かったのも中国企業の中国平安だった。

アリババ前会長のジャック・マー(馬雲)氏は2018年、「ビットコインはバブルだが、ブロックチェーンはバブルではない。ビットコインはブロックチェーンの応用の一例にすぎない。ブロックチェーンは一夜にして富を実現する金鉱のような存在ではない。社会問題を解決する技術だ」と発言している。