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中国人民銀、金融業界での分散台帳技術標準を策定

セキュリティー確保し業界成長促す

(Image: testing / Shutterstock.com)

中国の中央銀行である中国人民銀行はこのほど、金融業界における分散台帳技術(DLT)の業界標準「金融分散技術安全規範」を発表した。

同標準規格(規範)は中国人民銀行デジタル通貨研究所を中心に、中国工商銀行など4大国有銀行、国家開発銀行なども参画して策定。DLTを金融分野で実装する上で、情報セキュリティーを確保しながら、健全な業界発展を促すことを目的としている。

「金融分散技術安全規範」ではハードウェア、ソフトウェア、暗号アルゴリズム、ノード、台帳データ、ID管理、スマートコントラクト、プライバシー保護、コンセンサスアルゴリズム、ガバナンスなどのDLTのセキュリティーシステムのルールが記載されている。

同規範は「ブロックチェーン」という言葉が使われておらず、公表後に「ブロックチェーンの金融業界標準とは別なのか」という疑問も寄せられたが、起草者の1人は中国メディアの取材に対し、「基本的には今のところ、ブロックチェーンの業界標準と考えてもらっていい」と回答した(参考記事)。

また、規範では中国語のDLT観点用語の英語対訳も添えられている。

標準規範の発表に先立ち、中央人民銀行デジタル通貨研究所ブロックチェーンワーキンググループは、「ブロックチェーン技術の発展と管理」という文章も発表、その中で「2019年後半は、ブロックチェーンバブルが起き、過度な期待が結果的に投資家に損失をもたらした」と指摘し、健全な発展の必要性を強調していた。