仮想通貨(暗号資産)ニュース

中国、北京・深センを軸に「ブロックチェーン時代のシリコンバレー」へ

技術には長期的な希望。仮想通貨は取り締まり強化

「デジタル通貨導入モデル都市」深センの夜景(Image: Shutterstock.com)

中国でブロックチェーン技術を推進する政策発言が相次ぎ、仮想通貨相場も上昇している。これに対して中国の経済産業政策を統括する工業情報化部中国モバイル通信連合会ブロックチェーン専業委員会の陳暁華主任は、「一時的な動きだ。仮想通貨の取り締まりは、緩和するのではなくむしろ強化していく」と述べた。中国メディアの新京報の取材に答えた。

中国共産党が10月24日にブロックチェーンに関する研究会を開き、習近平国家主席が同技術の推進を言明した。続いて、26日には暗号法が成立。中国ではブロックチェーン技術と業界への期待が高まっている。

同時に、ブロックチェーンから生み出される仮想通貨への関心も上昇。中国最大のポータルサイト「バイドゥ」では、10月20日から26日の1週間で、「ビットコイン」の検索指数が1日平均3万1955にのぼり、前年同期比108%、前週比60%増えた。また、「ブロックチェーン」の検索指数は4万2444で、前年同期比349%、前週比884%増加した。

陳主任は、「政府が経済政策を唱えたとき、関連銘柄の株価が上昇するのはよくある話だ。海外で仮想通貨が値上がりしているのも聞いている。しかしブロックチェーンと仮想通貨は分けて考える必要がある。ブロックチェーン技術には長期的な希望があるが、仮想通貨の値上がりは短期的な現象にすぎない。中国は仮想通貨に関して、今後も取り締まりを緩めない」と述べた。

陳主任は今後3年から5年でブロックチェーン業界の淘汰が進み、市場競争力が高まると分析。中央銀行が開発を進めるデジタル通貨が、大学や国の研究機関、地方政府を巻き込みながら新たな金融システムを構築する一方で、民間ではブロックチェーンが信用システム、電子政府、トレーサビリティなど広い範囲に影響を与えると指摘した。

陳主任はまた、中国が「ブロックチェーン時代のシリコンバレー」になると指摘。技術の実用化では深センが、研究開発では重点大学(政府認定の研究教育機関)が集積する北京が中心になるとの見方を示した。