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Facebook、仮想通貨リブラ計画見直しを検討

グローバル通貨棚上げし法定デジタル通貨向け開発の方針か

(Image: Shutterstock.com)

Facebookが仮想通貨プロジェクト「Libra(リブラ)」の見直しを検討していると、ブルームバーグが3月4日に報じた。

Facebookは2019年6月にリブラ計画を発表。金融子会社Calibra(カリブラ)を設立した上で、外部パートナーも参画するリブラ協会が、米ドルや日本円など複数の通貨にひもづいたグローバル仮想通貨リブラを2020年前半に発行すると表明していた。

だが、各国の金融当局や政治家が次々に懸念や反対の態度を示し、プロジェクトは難航している。

報道によると、Facebookとリブラ協会はグローバル通貨の発行を棚上げし、法定デジタル通貨(CBDC)を含む複数のデジタル通貨に対応した決済ネットワークの構築を検討している。

関係者の1人は、「グローバル通貨の発行という目標を諦めたわけではないが、新たな枠組みが進められるだろう」と述べた。

また、The Informationは、Calibraが米国や欧州のCBDC発行支援に方向性を変えたとも伝えている。The Informationによると、Calibraのウォレットは今年10月リリース予定で、FacebookはメッセージアプリのWhatsAppとMessenger上でウォレットを提供。一部国家のデジタル通貨の取引に関わることを希望しているという。

ただし、リブラが単一国家のデジタル通貨や決済にしか使えないなら、既存のライバルとの差別化が難しくなり、当初の「世界中の金融口座にアクセスできない人々に、コストの低い国際決済手段を提供する」という理念の実現も遠のくことになる。

リブラの計画通りのローンチは困難な状況になっているが、リブラプロジェクトの発表によって、世界の中銀はCBDC発行に向けた取り組みを加速している。

中国人民銀行が既に大枠を固めているのに加え、リブラの強硬な反対派で、CBDCに否定的だった米国でも、米連邦準備制度(FRB)が今年に入り、研究を始めたことを明らかにしている。