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メディア・コンテンツ業界に訪れる変革を電通デジタルとスタートバーンが分析

ブロックチェーン導入における3つのビジネス的論点と3つの技術的論点

電通デジタルは3月3日、デジタルトランスフォーメーションに関する情報として「ブロックチェーンの可能性」と題した文書を公開した。同書の制作にはブロックチェーン技術のアート領域への導入を進めるスタートバーンが協力している。メディア・コンテンツ業界では、ブロックチェーンの普及による業界変革が予想される。同書は、ブロックチェーン導入における、ビジネス的論点と技術的論点をそれぞれ3つ示した。

企業はどう取り組むべきか

事業へのブロックチェーン導入においては、従来のバリューチェーン型あるいはプラットフォーマーの存在を前提にした業務プロセスをどのように変革していくかが重要になる。従来の「流通に乗せて終わり」という仕組みではなく、状況に応じた柔軟なルールや配分の仕方が必要となり、それに対応した組織や人材、働き方が求められる。

また、ブロックチェーン上でコンテンツを流通させるためのフォーマットの策定もビジネス的論点の1つ。二次流通によるクリエイターへの還元なども当たり前の仕組みとしてビジネスモデルへ組み込まなければならない。

こうして像を結ぶビジネスを支える技術的論点は大きく3つ。ブロックチェーンとの接続法、データベースの情報設計、ユーザーインターフェース(UI)を検討する必要がある。

ブロックチェーンはその運営方法によってパブリック型、コンソーシアム型、プライベート型に大別される。それぞれ特性が異なるため、企業は取り扱う情報や、ユースケースによって使い分ける必要があるという。

データベースの情報設計については、情報の分類と柔軟な設計が肝要となる。パブリックチェーン上に記載される情報は、基本的にオープンに共有される情報なので、すべての情報をブロックチェーンに記述するわけにはいかない。しっかりと情報を分類し、ブロックチェーンと従来のサーバー型データベースをまたぐ柔軟な設計が必要になるのだ。

UIに関しては、主には秘密鍵の保管方法の検討となる。ブロックチェーンは、個人が自身の秘密鍵を自ら管理することで、自身の情報を他者に委ねることなく自身で管理できるというメリットがある。一方、秘密鍵を紛失してしまうと誰にも復旧ができないというリスクも存在する。これらを天秤にかけ、扱う情報やユーザーの属性を考慮した設計が必要ということだ。

最後に

同社のレポートは、これらの報告以外にもブロックチェーンの仕組みや社会にもたらす影響力について解説し、また実際にどのようなブロックチェーンビジネスがあるのか、そのユースケースについてもまとめている。ブロックチェーンの可能性について、より詳しく知りたい人は、ぜひ、レポート全文の一読をオススメする。