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上告準備中のコインハイブ事件、意見書を4月1日まで募集

裁判費用はクラウドファンディングで調達済み

(Image: Shutterstock.com)

仮想通貨マイニングプログラム「Coinhive」の設置を巡って、一審無罪から二審での逆転有罪の判決を受けたモロ氏は3月23日、最高裁への上告の準備を進めていることをnoteへの投稿で伝えた。最高裁へ提出する意見書の協力を呼びかけ、第三審での費用は先に行ったクラウドファンディングにより十分に調達できていることを明かした。

募集中の意見書は、上告趣意書と合わせて最高裁判所へ提出するもの。日本ハッカー協会の協力の下、引き続き募集している。同協会によると、判決に示された規範が先例になることで生じる不利益や、不正指令電磁的記録があいまいに解釈適用されていくことでソフトウェアの開発を萎縮させるなどの問題点が考えられるという。

意見書の目的は「業界内の声を直接届けること」とし、現場や経営の立場から実情をもとにした意見を求めている。意見書のフォーマットや提出方法は日本ハッカー協会のウェブサイトをご確認いただきたい。協会への提出期限は4月1日までとのこと。

Coinhiveは、Webサイトに設置するツール。サイトへアクセスしたユーザーに、仮想通貨のマイニングを行ってもらうことで広告収入の代替とすることが可能だった。2019年3月にサービスを終了している。

警察は同ツールを、無断でユーザーにマイニングをさせていることが不正指令電磁的記録(ウイルス)供用や保管などの疑いがあると判断した。2019年3月までに利用者21人が検挙された。

この件で罪を問われていた男性はSNS等でモロ(@moro_is)氏と名乗り、事件の経緯をブログやTwitterにて報告していた。本件を巡る裁判の第一審では、横浜地方裁判所が2019年3月27日、モロ氏を無罪とした。罰金10万円を求刑する検察側はこの判決を不服とし、同年4月10日付けで東京高裁に控訴していた。

同年2月7日に東京高等裁判所にて行われた第二審では、第一審の無罪判決を破棄し、罰金10万円の有罪判決が下された。モロ氏および弁護士団は上告する意向を表明しており、コインハイブ事件の判決は最高裁判所の判断に委ねられる見通しだ。