イベントレポート

BCCCの加盟企業が270社に、仮想通貨「Zen」実証実験にビットポイントが参画表明

3月よりゲーム部会を新設しブロックチェーンゲームの情報・知見を共有化

 一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は1月15日、BCCC加盟企業が一堂に会する、親睦を目的としたイベント「BCCC Collaborative Day」を開催した。今回は、昨年末に発表になった日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)との連携協定により、JCBA会員企業もイベントに参加し、懇親を深める盛大な会となった。

 イベント冒頭では記者会見が開かれ、BCCC加盟企業・団体数が270社となったことや、BCCCの2019年の活動予定として、同協会が発行する仮想通貨「Zen」の社会実験フェーズ2の実施や、新たな部会「ゲーム部会」の新設、初の海外視察となるシンガポール視察について発表が行われた。

協会加盟社数が270社に、海外企業も5か国に

一般社団法人ブロックチェーン推進協会代表理事の平野洋一郎氏

 会見ではまず、BCCC代表理事の平野洋一郎氏より、1月15日時点での協会加盟社数が270社になったことが報告された。前回の報告から(2018年8月23日)新たに36社が加わり、ITやブロックチェーン関連企業以外にも、鴻池運輸株式会社、株式会社ビットポイントジャパン、パーソルキャリア株式会社、株式会社星野リゾート、Aniwo株式会社(イスラエル)など、運輸業、仮想通貨交換業者、人材派遣業など幅広い業種からの参加が一層目立つようになったという。また、今回新たにイスラエルの企業が加わり、海外企業も計5か国から加盟しているとのこと。BCCCは、2019年12月末には350社の加盟を目標としている。

2019年の活動予定

 BCCCは、2019年の活動予定として、同協会が開発・発行する仮想通貨「Zen」の社会実験フェーズ2の実施についても明らかにした。「Yen」の一歩先を行くという意図で名付けられた「Zen」は、企業における仮想通貨の利用を促進するために、円に対して限りなくニアリーイコールで1Zen=1円になるよう為替を安定させ、仮想通貨を安心して決済等に利用できるようテックビューロ株式会社の仮想通貨取引所「Zaif」などとともにフェーズ1の実証実験を行ってきた。フェーズ2では、Zaifの運営をテックビューロから引き継ぐ株式会社フィスコ仮想通貨取引所に加えて、新たにビットポイントジャパンの参画が決定、複数の仮想通貨交換所による実証実験を実施していくという。さらに、「Zen」はパブリックチェーン上に実装予定だという。また、同日より新規メンバー企業の参加を募集するフェーズ2は、2019年前半に実施を予定中であるとのこと。

「ゲーム部会」の新設

 続いて、BCCCの8つの部会活動に、9つ目となる「ゲーム部会」が3月より新設されることが発表された。今回、ゲーム部会新設に名乗りを上げたのは、国産ブロックチェーンゲーム「くりぷ豚」を提供する株式会社グッドラックスリー、モバイルゲームの提供を始め独自ブロックチェーン「Uniqys Kit」などDApps開発環境を公開する株式会社モバイルファクトリー、現在フィールドテスト中の位置情報ゲーム「ビットにゃんたーず」を公開中のリアルワールドゲームス株式会社の3社。「ゲーム部会」はこの3社を中心に、今後メンバーを募っていくとのこと。黎明期であるブロックチェーンゲームは、法令の適用や、運営ガイドラインの適切性などが不明確であることから参入障壁も高く、ブロックチェーンゲーム事業に参入する企業は、関連法規制の確認や関係省庁への確認など、複雑な手続きに二の足を踏む企業も少なくないという。そこで部会では、そういった情報の交換や、知見や経験を共有し合いながら、ユーザーが安心・安全にブロックチェーンゲームを利用できる環境を提供することに努め、ブロックチェーン技術を活用したゲーム産業の健全な発展を目指していくとのこと。

株式会社グッドラックスリー・代表取締役社長の井上和久氏
株式会社モバイルファクトリー・代表取締役社長の宮嶌裕二氏
リアルワールドゲームス株式会社・取締役CTOの岡部典孝氏

海外視察の予定もあり

 会見の最後は、BCCC初の海外視察について発表が行われた。今回、視察先として選ばれたのは、シンガポール。BCCCは、シンガポールの仮想通貨・ブロックチェーン業界団体ACCESS(アクセス)と連携協定の締結していることから、今回、シンガポールが選ばれたとのこと。ACCESSの協力のもと、BCCC加盟会員向けに今年度中の活動として「シンガポール市場視察ツアー」を実施する予定であるという(詳細については未定)。

 以上をもって、「BCCC Collaborative Day」記者会見は終了となった。イベントは、このあと休憩をはさんで、森・濱田松本法律事務所のパートナー弁護士の増島雅和氏と、カレンシーポート株式会社・代表取締役・CEOの杉井靖典氏の両名によるメインイベント新春対談「法律面からみるブロックチェーンのこれから」となる。なお、新春対談については別稿にてレポートする予定なので、そちらも併せて一読いただきたい。

イベント登壇者、新規BCCC加盟企業、ゲーム部会メンバーによる集合写真

高橋ピョン太