イベントレポート

三菱UFJとAkamai、新型ブロックチェーンの高速な小額決済サービスを2020年上期提供へ

新会社Global Open Network Japanを設立

左からMUFG・執行役員兼GO-NET Japan・取締役の大澤正和氏、MUFG・代表執行役副社長兼GO-NET Japan・代表取締役CEOの亀澤宏規氏、Akamai・CEOのTom Leighton氏、Akamai・社長兼GO-NET Japan・取締役Rick McConnell氏

 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)と米Akamai Technologies, Inc.(以下、Akamai)は4月19日、新会社Global Open Network Japan株式会社(以下、GO-NET Japan)の設立を発表した。両社が2019年2月に共同設立したGlobal Open Network株式会社による、日本国内でオープンなペイメントネットワークサービスを提供する新会社としてGO-NET Japanを設立した。2020年上期のサービス提供を目指す。

サービスを説明する亀澤宏規氏

 MUFGとAkamaiはGO-NET Japanにて、キャッシュレス化のさらなる進展、IoT時代の到来を展望し、劇的に増大することが予想される小額決済を安心安全に高速かつ安価に処理できる新たなペイメントプラットフォームを提供する。すでに2018年5月に発表済みのMUFGとAkamaiが共同開発した、決済処理速度が2秒以内、毎秒100万件超の取引を可能とする新型ブロックチェーン技術を基盤とするサービスとなる。

 新型ブロックチェーン技術は、Akamaiの有する世界135か国、4000か所、24万台のサーバーで構成される高速なエッジコンピューティングによるプラットフォームを生かした、従来型技術よりも高スループットの決済処理を実現する独自のブロックチェーン技術となる。

テクノロジーについて説明するTom Leighton氏

 両社は、ブロックチェーンの取引速度や処理容量はブロックチェーンを構成するノード間の合意形成の速度に依存することから、「ノード間のネットワーク速度」および「ノード内のブロック生成、検証処理に要する時間」という2つの要素を高速化することで実現可能であると考え、合意形成を担う全ノードをAkamaiのエッジプラットフォーム上に配置し、ノード間高速通信を実現した。また、ノード内のブロック生成、検証処理を高速・大容量化するための独自プログラムを開発し、その時間の短縮に成功している。

 新型ブロックチェーンは、ペイメントネットワークサービス以外にも利用可能かという問いに対してAkamai・CEOのTom Leighton氏は、もちろんブロックチェーンプラットフォームとしてグローバルベースで他のアプリで利用することも可能だという。合意形成に関しては、伝統的なBitcoinのPoW(Proof of Work)とは異なる、よりスケーラビリティがあり、また安価で、セキュリティも高いものだという。しかし、まずは取引インフラストラクチャーとしてのスタートとなると、回答をする。

 ペイメントネットワークサービスは、2020年上期のサービス提供を目指す。基本的にはグローバルかつオープンに協業体制で進めていくが、最初は国内のペイメント事業者やネットワーク事業者に向けたサービスとして提供していくという。

新会社ロゴ

高橋ピョン太