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政府税制調査会、確定申告における仮想通貨取引等の自主的な適正申告促進策について検討

第2回専門家会合で「これからの納税環境整備のあり方について」引き続き議論

 内閣総理大臣の諮問機関である政府税制調査会は10月29日、第2回「納税環境整備に関する専門家会合」を開催した。同会合は、仮想通貨など新たな経済取引の普及や働き方の多様化に伴い、これからの納税環境整備のあり方について議論をする少人数の専門家会合である。第2回会合では、「自主的な適正申告の促進策等」について議論が行われた。内閣府は、同会合における関連資料を公開している。

自主的な適正申告のための仮想通貨交換業者から顧客への情報提供(納税環境整備に関する専門家会合資料より引用、以下同)

 今回の会合では、今後の納税環境の整備にあたり、前回に引き続き継続した議論が行われた。仮想通貨取引については、納税者が自身の取引情報を簡易に把握できるような仕組みが構築できないか、また、仮想通貨取引による所得については、仲介業者(仮想通貨交換業者)が源泉徴収を行う仕組みを検討してはどうかといった議題を受けて、意見交換が行われた。仮想通貨交換業者など仲介業者に協力を求める場合、事業者が顧客に関する情報をどの程度把握しているのか、本人確認データや取引データは把握可能だが、当該取引以外の所得や控除については把握が困難であるという意見が挙っている。また、顧客がその取引によってどの程度の所得を得ているのかといった点も考慮して検討する必要があるだろうという。

 仮想通貨取引について各交換業者は、自社を通じた取引分に限れば申告に必要な情報を顧客に対して提供できるとのことだが、税務当局に対しても同様の情報を提供することについて検討してはどうかといった意見もあるようだ。しかし、仮想通貨を口座間で移転した場合、移転先の口座を管理する交換業者においては、移転元の口座における当該仮想通貨の取得価額の把握が困難であり損益の計算が不可能であることから、仮に源泉徴収制度を検討する場合には、こうした点が問題になるのではないかという。こういった論点を踏まえて、今回は自主的な適正申告の促進策および担保策について議論が行われた。

 なお、第2回会合における関連資料には、10月17日に開催された政府税制調査会第18回総会にて配布された資料の一部が含まれており、自主的な適正申告のための仮想通貨交換業者から顧客への情報提供のイメージ図や、仮想通貨取引による所得の申告状況など、今後の参考になる資料が多数公開されているので一読しておくことをおすすめする。

仮想通貨取引による所得の申告状況
現行の調書における仮想通貨の取扱い