仮想通貨(暗号資産)ニュース

Scalar社の分散型台帳、電子地域通貨専用の新電力プラン受付システムに採用

第一弾は飛驒信用組合の地域通貨で電気料金を支払う「さるぼぼコインプラン」

 株式会社Scalarは12月13日、同社の分散型台帳技術「Scalar DLT」が新電力プラン「さるぼぼコインプランpowered by ENS」などの共通受付システムに採用されたことを発表した。「さるぼぼコイン」は、飛驒信用組合が提供する電子地域通貨で、岐阜県飛騨・高山地域で利用できる。今回の発表に先立つ11月29日、飛驒信用組合と株式会社イーネットワークシステムズ(以下、ENS)、株式会社フィノバレーの3社が電子地域通貨「さるぼぼコイン」の利用活性化を目的に業務提携している。

 株式会社イーネットワークシステムズ(以下、ENS)は、電力OEM販売プラットフォームとして、新電力サービス加入者の増減に柔軟に対応できる受付システムを必要としていたという。Scalar社の提供する「Scalar DLT」は、可用性を担保した上で拡張・縮小が柔軟に可能なシステムであるとのこと。そのため、ENS社は、複数事業体ブランドで新電力サービスを提供する際の共通受付システムに「Scalar DLT」を採用するに至ったとしている。

 ENS社が新電力サービスの共通受付システムに「Scalar DLT」を採用する第一弾は、新電力プラン「さるぼぼコインプランpowered by ENS」となる。本プランは飛驒信用組合の口座を持つユーザーが申し込むことができ、「さるぼぼコイン」で電気料金を支払うと、最大9%ほどポイントで還元されるという。「さるぼぼコイン」は、飛騨地方の伝統工芸人形の「さるぼぼ」にちなんで命名され、飛驒信用組合と地域の活性化を目的として運用されている。

 なお、Scalar社の「Scalar DLT」は、分散データベース「Scalar DB」と分散型台帳「Scalar DL」から構成され、2018年10月にリリースされた。独自の分散型台帳技術によって、従来のブロックチェーンでは実現困難な高スケーラビリティとデータ一貫性を実現しているという。分散データベース「Scalar DB」はオープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開されており、Apache License 2.0での利用が許可されている。

お詫びと訂正: 記事初出時、「Scalar DB」のライセンスを「AGPL(Affero GPL)ライセンス」と記載しておりましたが、正しくは「Apache License 2.0」となります。お詫びして訂正させていただきます。