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米マイクロソフト、Azureブロックチェーン基盤サービスを提供開始

JPモルガンが開発するイーサリアムベースの「Quorum」を採用

Microsoft Azure Blogより引用

 米国ニューヨーク州に本拠を置く大手銀行のJPモルガンと米Microsoft社は5月2日(現地時間)、JPモルガンが開発するブロックチェーン技術「Quorum」(クォーラム)のエンタープライズ採用を推進するための戦略的パートナーシップを締結した。併せてMicrosoft社が提供開始するクラウド型ブロックチェーンアプリケーション基盤「Azure Blockchain Service」に、最初の台帳としてQuorumを採用しサービスを公開した。

 Quorumは、Ethereumをベースとしたプライベート型ブロックチェーン技術。企業向けスマートコントラクトプラットフォームとしてJPモルガンが開発を進める。

 Azure Blockchain ServiceはQuorumを採用し、企業がブロックチェーン事業の開発に集中できるよう、コンソーシアムブロックチェーンネットワークの形成と管理を簡素化する、完全管理型のブロックチェーンサービスだ。わずか数回のクリックで、認可制ブロックチェーンネットワークを作成および展開し、Azureポータルのインターフェースを使用してコンソーシアムポリシーを管理することができるという。

 ブロックチェーンサービスの開発者はAzure Active Directoryを通して、コンソーシアムにおける新しいメンバーの追加、アクセス許可の設定、ネットワークの正常性とアクティビティの監視、および管理されたプライベートなやり取りを実行することができる。企業にとって重要な機密トランザクションをサポートしながら、豊富なオープンソースツールと統合することも可能になる。

 さらにMicrosoft社はAzure Blockchain Serviceのほかにも、開発者のスマートコントラクト開発を支援するVisual Studio Codeの拡張機能の提供開始を発表した。Visual Studio Codeにて、Ethereumのスマートコントラクト開発言語である「Solidity」(ソリディティ)をサポートする。拡張機能を使うことでスマートコントラクト開発者は、それらをパブリックチェーンまたはAzure Blockchain Service上のコンソーシアム型ネットワークに展開することが可能だという。

 Azureのブロックチェーンサービスは、あらゆる業界のエンタープライズビジネスに影響を与えると両社はいう。Azureはネットワークの構築およびガバナンス策定の低コスト化と簡素化といった恩恵をもたらす。企業はインフラストラクチャの管理ではなくアプリケーションの開発に注力することができるという。

 今後も両社は、クラウドでQuorum上にブロックチェーンアプリケーションを構築および展開する一般企業、独立系ソフトウェアベンダ、および開発者のニーズに応えるために協力していくとのこと。