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chaintope、医薬品トレーサビリティーの実証実験をマレーシアで開始

子会社通じ現地法人と協力。国際標準に沿って流通の透明化を目指す

(Image: Shutterstock.com)

株式会社chaintopeは6月26日、同社がマレーシアに置く子会社CHAINTOPE MALAYSIA SDN.BHD.を通じて、ブロックチェーン技術を活用した医薬品トレーサビリティーの社会実験に取り組むことを発表した。同国法人のAEON ASIA SDN. BHD. およびGS1 Malaysia Berhad.が実験に協力する。2019年6月から8月にかけて最初の実験を行い、今後段階を経て枠組みを広げていくとのこと。

同実験は、医薬品トレーサビリティーを実現することにより、サプライチェーンの可視化、偽造商品の防止、製品リコール時の迅速な対応などを可能とする。パブリックブロックチェーンの革新的な要素を最大限に活かしつつ、データ共有のあり方を刷新し、経済的に持続可能なモデルを構築することを目指すとしている。

実験に協力するAEON ASIAとGS1 Malaysiaは、医薬品などの商品識別の国際基準であるGS1標準の普及を推進すると共に、ブロックチェーン技術のサプライチェーントレーサビリティー分野への応用の可能性を模索してきたという。バーコードの特定様式を示すGS1標準は、日本でも導入が進められている。海外で先んじて実証実験を行うことで、将来的に国内の医薬品サプライチェーンにブロックチェーン技術を導入する際、その知見を活かすことも考えられる。

chaintopeは福岡を拠点にブロックチェーン基盤技術の研究開発に取り組むスタートアップ企業。ブロックチェーンのコアテクノロジーの研究開発や社会実装に取り組む。Lightning Network用プラットフォーム「Inazma」電力業界向けブロックチェーン利用プラットフォーム「Electrowise」などを提供している。

医薬品の流通にブロックチェーンを活用するという動きは、すでに日本国内でもある。2019年3月には日本IBMが中心となり国内の製薬会社らと共に実証実験に取り組むことを発表し、2019年内に実施する予定だ。2017年10月にはINDETAILらが調剤薬局のデッドストックを販売するサービスを考案し実証実験を行っていた。2019年内に商用化を目指している。