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「中国のシリコンバレー」進む行政サービスのワンストップ化。ブロックチェーンで実現

不動産登記と電力使用のための名義登録「一括処理」導入も

(Image: Shutterstock.com)

属人主義と非効率で悪評高い中国の行政サービスを、ブロックチェーンを活用して改善する取り組みが広がっている。「中国のシリコンバレー」と呼ばれる中関村が位置し、大学やテクノロジー企業が密集する北京市海淀区では、不動産登記と電力使用のための名義登録を同時に行うサービスが導入され、市民に歓迎されている(参考記事)。

中国の行政サービスや公共サービスはオンライン化が進んでおらず、市民は一つの手続きをするにも複数の書類に同じ情報を記載し、各部署に提出しなければならない。また、オンライン化されていないため、当然ながら部局や組織をまたいだ情報共有も進んでいない。

北京市は、イノベーション拠点として知られる海淀区を舞台にITを活用した行政効率化に着手。特に市民生活と密接に関わる不動産登記と、電力使用のための名義登録の「一括処理」を4月中旬に導入した。

それまで、不動産を購入した企業や市民は役所で不動産登記手続きをした後、電力会社の窓口に足を運んで4~6種類の証明書を提出する必要があり、電力会社での名義登録が終わるまでに5営業日を要した。

しかし、ブロックチェーンを活用した新システム導入によって、不動産登記をした後に顔認証で本人登録をすれば、市民の情報が自動で電力供給部門に送られるようになり、手続きが5分で完了するようになった。

北京市の担当者は、人民日報に対し「市民からは多くの不満が出ていたが、書類ベースだと情報漏えいリスクが高いため、部局をまたいだ情報共有はできなかった。だが、情報が守られ、改ざんの恐れも低いブロックチェーンを活用することで、今回の取り組みが実現できた。市民は一カ所で2つの手続きができるようになった」と語った。

中国政府は昨年、行政部門の情報共有を進め、手続きやサービスの効率化を求めるガイドラインを発表した。これを受け、北京市も行政サービスのスマート化を進めており、2019年末までに市・区レベルの行政サービスの90%をオンライン、ワンストップで実現することを目標に掲げた。