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イーサリアム、10月の次期アップデート「イスタンブール」実装項目4つまで確定
9月4日にテストネット更新。2回に分けて実装の可能性も
2019年8月15日 10:00
Ethereumは次期ネットワークアップデート「イスタンブール」を10月16日頃メインネットにて実施予定だ。それに先駆けて9月4日、テストネットにおける同アップデートが計画されている。当初テストネットの更新は8月14日を予定していたが、実装項目の検証に遅れが生じているため、延期となった。
イスタンブールのアップデート項目はEIP-1679としてまとめられている。これまでの開発者会議などにより、8月6日時点で実装が確定しているのは下記の4項目だ。
- EIP-152
EVMへのBLAKE2b Fプリコンパイルの追加 - EIP-1108
alt_bn128プリコンパイルにおけるガス代の削減 - EIP-1344
EVMに現在のチェーンIDを返す命令コード「ChainID」を追加 - EIP-2028
トランザクションのCalldata内のガス代を1バイトあたり16ガスへ削減
【イスタンブールで実装が確定したアップデート項目】
前回のネットワークアップデート「コンスタンティノープル」では、EIP-1283の脆弱性により当初のアップデート日程が延期。その後EIP-1283は同アップデートでの適用がキャンセルされた。イスタンブールではEIP-1283と同じくEVMのSSTORE命令を改良するEIP-1706を統合し、EIP-2200として実装見込みの項目に挙げられている。
実装が確定していないが、検証などを進めている実装見込みのアップデート項目は下記の5つだ。
- EIP-1057
合意形成アルゴリズムの「ProgPoW」への移行。セキュリティに関する監査項目が残っているため現在保留中。 - EIP-1702
同ブロック内で複数のバージョンのEVMを実行可能にするスマートコントラクトのバージョン管理機能 - EIP-1884
木構造のサイズに基づいたEVM命令コードのガス代調整 - EIP-1962
楕円曲線の演算とランタイム定義の組み合わせたプリコンパイルの実装
EIP-1109とEIP-1829を統合した代替案 - EIP-2200
EVMのSLOAD命令のガス代変更に伴うSSTORE命令のガス代の再調整
EIP-1283とEIP-1706を統合した代替案
【イスタンブールで実装見込みのアップデート項目】
実装見込みの項目の内、EIP-1057のProgPoWは監査の状況次第でイスタンブールとは別に実装される可能性が高くなっている。実装確定項目と実装見込みの項目で主要クライアントへの実装状況の差が生じていることから、イスタンブールは2つのアップデートに分割される可能性もある。分割の可能性について、開発者らは8月15日に実施するコア開発者会議で検討する予定だ。