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中国の司法で進むブロックチェーン導入、デジタル証拠保全に活用

ECやフィンテックでの紛争解決迅速化に期待

中国・青島市の五四広場にあるモニュメント5月の風(Image: zhangyuqiu / Shutterstock.com)

中国山東省の青島市の紛争解決機関である青島仲裁委員会は8月23日、「インターネット仲裁規則」を公表。インターネット仲裁プラットフォームの運営を開始し、Eコマースやインターネット金融に関する紛争解決に最新IT技術を積極活用する方針を表明した。

青島仲裁委員会は仲裁手続きのコストを下げ、短期間で多くの案件を処理することを目指して、オンラインの仲裁プラットフォームとデジタル証拠保全プラットフォームを構築。デジタル証拠保全プラットフォームには人工知能(AI)、ブロックチェーン、タイムスタンプを導入した。

具体的にはデジタル証拠をハッシュ値形式でプラットフォームに安全に送信し、保存できる。ブロックチェーン技術を用いて証拠の改ざんや紛失の防止も可能だ。

中国では2018年9月に最高裁にあたる最高人民法院が「インターネット裁判所の審理案件に関する若干の問題の規定」を発表し、デジタル証拠の提出者にタイムスタンプやブロックチェーンなどを活用し、証拠の改ざん防止や保全に努力するよう求めた。

これに先立つ2018年2月には、広州市の仲裁委員会が国内で初めてブロックチェーン技術を用いた仲裁プラットフォームでの裁決を実施。同年9月には南京市も同様のプラットフォームを開設するなど、動きが広がっている。

仲裁だけでなく裁判に必要な情報をブロックチェーンで管理する動きもある。杭州インターネット裁判所は、ブロックチェーン導入によって知的財産権を巡る訴訟の処理を大幅に効率化した。訴訟前に和解に至る率が95.3%まで上昇したほか、そのうち47%が当日和解に至ったと報告した。(参考記事