仮想通貨(暗号資産)ニュース

金融庁、仮想通貨交換所のサイバーセキュリティ体制見直しの方針

令和元年度の金融行政の方針を発表。改正法対応とJVCEAや海外当局との連携強化など

(Image: TK Kurikawa / Shutterstock.com)

金融庁は8月28日、令和元年度における金融行政の方針を取りまとめた文書を公開した。暗号資産(仮想通貨)に関しては、2019年5月末に成立した改正法の周知に向けた取り組みや、市場動向の把握と分析の強化、交換所のセキュリティ監査、海外当局とのより密な協力などを年度方針の大枠とした。

金融庁は新たな仮想通貨交換業者の登録審査や既存業者の監視に関しては、最新の仮想通貨市場の動向把握や分析を強化し、関係省庁や自主規制機関である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)、海外当局と連携して、将来を見据えた監視を行っていくという。

2019年7月には仮想通貨交換所BITPointが不正アクセスを受け、仮想通貨の流出事件が生じた。金融庁は仮想通貨交換業者に対し、サイバー攻撃による被害を防止するため、JVCEAと連携してサイバーセキュリティ体制の検証と監視を強化する方針だ。

2020年前半までに施行予定の資金決済法と金融商品取引法の改正法には、仮想通貨の暗号資産への改称や仮想通貨デリバティブ取引への規制強化などが含まれる。利用者・事業者に対する改正法の周知徹底に向け、金融庁は政府令・事務ガイドラインの改正や登録審査・モニタリング体制の構築を進めるという。

金融庁の暗号資産(仮想通貨)への対応(金融庁「利用者を中心とした新時代の金融サービス~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(令和元事務年度)重点施策の概要」より引用)

また、新たに規制対象となる仮想通貨デリバティブ取引に関しては、JVCEAが認定審査を実施する。金融庁とJVCEAは監督上の協力や定期的な情報交換を含め、連携強化を図るとのこと。

マネーロンダリングの対策や利用者保護のため、海外当局との連携強化も強調している。金融庁は同庁が主催する非公開の国際会合「暗号資産ラウンドテーブル」の第2回開催を計画する。2018年9月の第1回開催では、各国の規制当局や国際機関などが参加し、国際協調の強化につながったという。