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MakerDAO、複数のトークンを担保にする新型ステーブルコインを11月に提供開始

ETHとBATを担保に利用。分散型金融の預金・金利システムも実装

新たなDAIロゴ。MCDの発表に併せて公式サイトもリニューアルしている(発表資料より引用)

Ethereumの分散型金融プロジェクトMakerDAOを運営するMaker財団は10月9日、ステーブルコインDAIの新仕様「マルチコラテラルDAI」(以下、MCD)を11月18日に提供開始することを発表した。MCDは、ETH以外にも複数のトークンを担保として扱うことが可能だ。単独の価値に依存しないことから、価格変動リスクの軽減を期待されている。リリース時点では、ETHとBATを担保とする。なお、ローンチは確定ではなく、15日まで行うコミュニティ投票の結果次第で、見送りとなる可能性がある。

既存のステーブルコインDAIは、ETHのみを担保に、スマートコントラクトを用いた金融取引で、1DAI=1ドルの価値の平衡を実現した。MCDは、ETHの他にEthereum上で発行される複数のトークンを担保にする、複数担保型のステーブルコインだ。最初のリリース時点では、ETHの他に、ウェブブラウザ「Brave」プロジェクトのBATトークンを担保にすることが、コミュニティの投票により決定している。

MCDは、DAIを発行する仕組みであるCollateral Debt Position(CDP)のスマートコントラクトを更新し、あらゆるトークンを担保として扱うことが可能になるという。最初の担保にはETHとBATが採択されたが、AugurのREPトークンやOmiseGoのOMGトークンなども候補に挙がっていた。さらに、MCDではDAIを用いた預金と金利付与の仕組みであるDAI Savings Rate(DSR)を利用できる。DAIをロックすることで、その金額に応じた利息が受け取れるという。

MakerDAOは分散型組織の仕組みを導入し、MKRトークンを用いたコミュニティ投票で各種の方針が決定される。MCDのローンチに関しても11月15日まで投票が行われ、反対多数であれば18日のローンチは見送りとなる。MakerはMCDの担保になるETHとBATのリスク、CDPとDAIの移行リスクについてレポートを準備中であり、投票の参考としてMKRトークン保有者向けに近日公開するとのこと。