仮想通貨(暗号資産)ニュース
Facebookの仮想通貨リブラ、通貨バスケットを放棄も
プロジェクト責任者、「複数のステーブルコイン」案を示唆
2019年10月21日 12:57
Facebookの仮想通貨プロジェクトLibura(リブラ)の責任者であるFacebook子会社Calibra(カリブラ)のデビッド・マーカス(David Marcus)CEOは、20日に出席した銀行セミナーで、リブラをドルやユーロなどと1対1で連動させる代替プランを示唆した。ロイター通信が伝えた。
マーカスCEOは、「(複数の法定通貨をミックスする)通貨バスケットの代わりに、ドルステーブルコイン、ユーロステーブルコイン、ポンドステーブルコインをそれぞれ出してもいい。法定通貨をデジタルにしたステーブルコインを多数持つことも選択肢の1つ」と語った。
これまでの計画では、リブラは米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、シンガポールドルの5種類の法定通貨をそれぞれ50%、18%、14%、11%、7%の比率で準備通貨に組み込む方針が公表されている。マーカスCEOの発言は、これまでの計画を覆し大きな方針転換となるものだが、同氏は「自分の発言は、グループとしての優先オプションというわけではない」とも語った。
10月17、18日にワシントンで開かれたG20・主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議では、リブラなどのデジタル通貨に「深刻なリスク」があるとの合意文書がまとめられ、当面は発行を認めない方針が確認された。
Facebookが当初計画していた2020年前半のローンチは既に困難な情勢だが、マーカスCEOは、「より効率的な決済システムをつくるという目標は変わっていない」と述べる一方、「決済システムの通貨やトークンに関しては代替的なアプローチも検討する」とした。