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米リップルの海外送金システム、取引量の前期比5倍増を報告

「大量のツイートBOTによるネガキャン受けた」=2019年第3四半期市場レポート

(Image: Shutterstock.com)

米リップルは10月18日、仮想通貨「XRP」の2019年第3四半期市場レポートを発表した。xRapidからODL(On-Demand Liquidity)へ名称を変えた、同社の海外送金システムが急速に拡大しており、前期比で取引額が5倍以上増加したという。一方で、「米リップルによるXRPの売り圧」などを主張するネガティブキャンペーン(FUD)が活発だったことも報告している。

2019年第3四半期中に米リップルが売却したXRPは合計6624万米ドル相当。同期間に全世界で取引された182億3000万米ドルのXRPの0.36%に当たる。前期比でXRPの時価総額は30.4%減少し、平均日次取引量は54%減少の1億9810万米ドル相当となった。減少幅が一般的な集計よりも大きいが、今回からデータの提供元を「CryptoCompare Top Tier」へ変更したことに起因するという。

2019年4月から9月のXRP時価総額と市場価格の変動(発表資料より引用)

米リップルが売却した6624万米ドル相当のXRPのうち、1612万米ドル分はプログラムによるもの。リップルによる機関投資家への直接販売は5012万米ドル。2017年第4四半期にエスクロー(第三者預託)へ預けた550億XRPの内、今期に30億XRPを開放。その内、23億3000万XRPは新しいエスクローに入れられた。差分の7億XRPは、期末時点でウォレットに保持し、使途は未発表だ。

XRP活用の海外送金システムODLが好調

米リップルは10月に、従来xRapidと呼んでいた海外送金システムを、ODL(On-Demand Liquidity)へと改めた。ODLは、XRPを媒介に低手数料・高速の海外送金を実現する技術。第2四半期には顧客数が75%増加したが、第3四半期には前期に加入したマネーグラムなどがODLの運用を開始したため、ODL上での取引量が急増。米ドルベースで前期比5倍以上の増加だったという。

米リップルは同社の投資部門Xpring経由で、10月にアルグリムを買収してODLの開発チームに迎えた。新たなメンバーを中心にアイスランドを開発拠点の1つに加え、ヨーロッパでの人材育成を行うと共に、今後もODLの開発に注力していく方針を明らかにしている。

ネガティブキャンペーンの拡散

米リップルは、第3四半期中に「疑わしい情報源による誤った情報の拡散」が活発になったことを報告している。米インディアナ大学の調査によると、仮想通貨関連でのTwitter上の情報は、その多くがBOTに占められる。BTC関連で49%、ETH関連で71%、XRP関連で50%がBOTによる情報発信だという。

第2四半期のレポートで、米リップルは当初の想定よりも多額のXRPの販売を明らかにしていた。この報告を根拠に拡散されたFUDの一種で、「米リップルが売り圧をかけXRPの価格を下げた」とするツイートは、49%がBOTによるものだった。また、米リップルは仮想通貨XRPとは独立しており、その価格を同社が制御することは不可能であると説明した。